As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

松方コレクション

日本中に大きな被害をもたらした台風19号から1週間近くー
元号になったというのに、台風に被害が相次ぐ秋となりました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたします。
22日の即位礼は予定通り実施するそうですが(これは、世界中から来賓が来るので実施しないと混乱するでしょう)パレードは延期となりました。その方向に決まって良かったと思います。

さて、今日の記事は夏休み終わりの頃に上野の国立西洋美術館で観賞してきた展覧会です。

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ロダンによる彫像など、国立西洋美術館の常設展には松方の名前を冠していることは知っていましたが、この展覧会では改めて「松方コレクション」の歴史についてたどられていました。
薩摩出身で明治時代に2度内閣総理大臣を努めた松方正義の息子、松方幸次郎は、神戸の川崎造船所(現・川崎重工業)の初代社長を努め、第一次世界大戦を景気に巨額の富を得ます。その財産を元に1910年代~1920年代にかけて、ヨーロッパ各地で美術品を収集するのです(他に、浮世絵のコレクションもあります)。彼は、自分が集めた美術品による美術館を開くことを夢見ていましたが、時代に翻弄されていきました。

浮世絵は帝室博物館(現・東京国立博物館)へと寄贈されましたが、西洋美術については、第一次大戦後の恐慌により手放さざるを得ず国内外に散逸してしまったもの、ロンドンの倉庫に保管していたものの火事により焼失してしまったもの、そしてフランスに保管した美術品については、第二次大戦後にフランスから返却を拒否されたものもありましたが、日本に返却された375点が国立西洋美術館へと収められたのです。
この展覧会では、かつて松方幸次郎のコレクションにありながらも戦後はフランスにとどめられたり、国内の他の美術館に収められていた懐かしい品々が揃いました。

写真に出てきたゴッホの「アルルの寝室」も、戦後はオルセー美術館に収められた旧松方コレクションの作品です。
そして、もうひとつの目玉がモネの幻の睡蓮といわれる「睡蓮 柳の反映」

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こちらも旧松方コレクションの作品でしたが、2016年にルーブル美術館で発見されるまで所在が分かりませんでした。発見されたのち、国立西洋美術館に寄贈され、修復されたものが公開されました。
そして、長年のうちにこの作品の上半分は大きく欠損してしまいました。修復作業では、完全に欠損してしまった部分には手をつけなかったのです。こちらの写真は、欠損前に撮影された写真を元にした、オリジナルをデジタル複製したものです。

長いこと離ればなれになっていた美術品の再会に感動もしつつ美術館を出たら、もちろん上野動物園です。

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パンダの列には2回並びました。
最初に見たシャンシャンは後ろ向きでまるっと座っていましたが、2回目では夕食の竹がセッティングされ「わーい🐼」と嬉しそうでしたよ。

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