As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

友罪

安室奈美恵さんが引退し、樹木希林さんが亡くなるという、またしても「時代の終わり」を感じさせる連休となりました。

さて、映画のレビューはようやく6月に見た作品になりました。

イメージ 1

友罪 監督:瀬々敬久 主演:生田斗真瑛太

ジャーナリストを目指していたが挫折し、生活のため町工場で働くことになった益田(生田斗真)は、同時期に働き始めた鈴木(瑛太)という男と出会う。鈴木は周囲と交流せず、過去を語ろうとしなかったが、同い年の二人は次第に打ち解け友情を育んでいく。しかしあるきっかけから、益田は鈴木が17年前に世間を騒然とさせた連続児童殺傷事件の犯人ではないかと考え……。
「天使のナイフ」「Aではない君と」などで知られる作家・薬丸岳のミステリー小説を、『ヘヴンズ ストーリー』などの瀬々敬久監督が映画化。凶悪事件を起こした元少年犯と思われる男と、その過去に疑念を抱く同僚の友情と葛藤を描く。『人間失格』などの生田斗真と、生田とは『土竜の唄 香港狂騒曲』などで共演し瀬々監督とは『64-ロクヨン-』で組んだ瑛太が2人の男を体現する。

凶悪事件を起こした元少年…という設定が明らかに「神戸で起こったあの事件」を意識したものと思われますので、実在の少年Aの現在もこんな感じなのか、と一瞬思ってしまったのですが、この作品の鈴木は完全にオリジナルキャラクターの鈴木として生きていました。モデルとなった人物のイメージをダブらせない鈴木になりきった瑛太さんの演技力はさすがだと思います。そして、同じく主演をつとめた生田斗真さんの演じた益田を完全に食ってしまっていました。
結局は益田が元同僚で元カノの女性記者にしゃべってしまったことが週刊誌の記事になって鈴木は去って行くのですが、週刊誌の役目を考えれば、スクープネタがありながら記事にしないなんてあり得ないし、読者も結局はそれを望んでいるし、致し方ないよなぁと思いながら見ていました。それよりも作品が描きたいのは、益田が自身の過去と向き合う姿だろうと。
鈴木、益田の他にもこの作品にはタクシードライバーの山内、以前にAVに出ていたことのある美代子、医療少年院の白石など多くの登場人物が自分の過去の罪と向き合うことになるのです。
・・・が、いかんせん盛り込み過ぎ!
エピソードが多すぎて集中できず、どれもがうすぼんやりした印象で終わってしまいました。きっと原作本ならひとつひとつ消化できたのでしょうけど、2時限枠に修めなければならない映画の限界だったのかもしれませんね。