As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

日本は格差社会?!

今日の養成講座は「最後の理論学習」でした。
午前は「キャリアカウンセリング」がテーマでしたが、私がカウンセリングするのではなくカウンセリングされたいです、はい。

そして午後の講義は「産業カウンセリングに関わる労働関係法規」というテーマで弁護士の講師からのお話でした。話の導入部は・・・気持ちよい午睡になってしまったのですが(っておい!)
だんだん話が本論に入るに連れ、暗澹たる気分になってしまいました・・・

「ワーキング・プア」という言葉を知っていますか?
働けど、働けど・・・貧しい暮らししかできないことです。石川啄木が歌を詠んだ時代の話ではありません。現代日本で進行中のことなのです。
今、年収が200万以下の世帯は約18%といわれています。実に全世帯の1/5、この数値はアメリカに次ぐ悪い数値です。経済大国といわれているはずの日本とアメリカに起こっている「格差社会」なのです。
これまで長引いていた不況、リストラや人員削減、採用が抑えられていて何社回っても内定が取れない・・・今企業社会では、「正社員」からアルバイト、パート、契約社員派遣社員といった「非正規雇用」の形態へ猛烈な速度でのシフトが進んでいます。正職員の補充のために派遣やパートの職員が来ると、もうそこには正社員が来ることはありません(私が勤めていた会社も、女子の一般事務職員はかつては地元の高校卒を採用していましたが、私が入社した頃を最後に完全に派遣にシフトし、採用はなくなりました)そのほうが賃金を抑えられますから、企業にとっては好都合なのです。

そういう時代に、正職員として就職できなかった若者を中心にフリーターが激増します。また、ニートも増加しています。フリーターでバイトの経歴しかないと、30歳を過ぎてから正職員で就職するなんて至難の業です。また、これまで正社員だった中高年層もリストラ対象となると、再就職先を探すのは容易ではありません。つけたとしても収入は激減する「非正規雇用」の職しかないのです。
「非正規雇用」の職は、社会保険などの保証がしっかりしていなかったり、雇用は不安定、そして賃金も正社員に比べると激減します。偽装請負の闇が広がっているといわれています。派遣会社よりさらに不安定で保証もなにもない安い賃金で働かされる「請負社員」の存在があります。派遣社員と偽って実は請け負い業務だったりする・・・このような職の形態にしかつけないと、その後に正職員として働くことは極めて困難である・・・都市では若者を中心にこうした「ワーキングプア」が広がっています。
また、地方ではまた違った構造の「ワーキングプア」があります。

そして、リストラや非正規雇用の増加により減らされた正社員にとっては、長時間残業の問題があります。人が足りなくなっているから残った正社員にしわ寄せが来るのです。残業が月に100時間を越える仕事が何ヶ月も何年も続き、本人は心身を壊してしまうし、家庭生活は破壊してしまいます。会社に在籍したまま待遇の改善を訴えたいと思っても、労働基準監督所に訴えたところで「犯人探し」が会社からされてしまうでしょう。労働組合も今は組織率が低い(官・民合わせてわずか16%程度)ので頼みにはならず、辞める覚悟で訴えるしかありません。その前に身体を酷使しすぎで病気になり、退職になってしまうかもしれません。退職になったら・・・その先は正社員への再就職は厳しいのです。
夫がきちんと会社に勤めているから私はパートで扶養範囲内で働くわ、と主婦が生活プランを考えているのはもはや甘い考えかもしれません。

こんな状態では・・・家庭ももてませんよ。少子化対策以前の問題です。と先生はおっしゃって、ため息をついていました。本当にそうです。いつからこんなに日本の社会は優しくなくなってしまったのでしょう。かつては就職=就社であり、年功序列、終身雇用でした。この日本の企業制度にも問題があるとされ、急激にいろんな雇用形態が入ってきたのですが・・・現実はつらいものです。
そういう産業社会の中でカウンセリング業務に携わることの厳しさをひしひしと感じます。

さあ、残すところは来週の実習最終回のみです。終わるのがさびしいです。