As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

乳がんのホルモン療法ー自分に合うレシピ

今日は久しぶりにVOL-Netのスタッフとして勉強会に参加してきました。
娘も先日慣らし保育を受けた保育園で本格的に一時保育のスタートです。

これまでメディカルサポーターとしてもお世話になっているGORO先生こと、市立岸和田市民病院乳腺科部長の吉村吾郎先生をお迎えして乳がんとホルモン療法」をテーマにしての勉強会です。

ホルモン療法は多くの患者さんが術後に経験されますので、これまで何回かこのテーマで勉強会を開催していますが、いずれも関心が高く、今回も80人ほどの参加者をいただき大盛況となりました。

講演はまず「ホルモン療法とはどういうものか」ということから始まり、閉経前、閉経後の具体的な薬剤の使い方とその効果について臨床試験の結果を交えて説明されました。
乳がんのホルモン療法の薬としてはもっとも初期から使われ、今でも第一選択薬の地位がゆるがない「タモキシフェン」(ノルバデックス)は数多くの確立した臨床試験のデータが蓄積されていますが、現在では5年間の服用は確実に再発率を下げる効果があることが示されています。また、閉経後に使われる薬剤である「アロマターゼ阻害剤」はここ数年次々と新薬も登場しており、これらの薬についての情報を詳しく知りたいという参加者の方も多かったようです。
治療中の多くの患者さんは長期に渡る副作用に苦しむことになりますが、現時点で可能な副作用対策(といっても誰にでも効果のある対策法は未だないのが現状ですが…)の話をされながら患者さんの立場に立とうとする先生の姿に好感が持てました。
講義の後は休憩を挟んで質疑応答になりましたが、予定時間を超過して活発なやりとりがなされました。

「ホルモン療法をしたほうがいいというけれど、その効果はいつ現れるのか?」
「長期間に渡り様々な副作用に耐えながら薬を飲まないと生き長らえることはできないのか?」

治療を進めるにつれていろいろ疑問も湧きあがりますが、上記の疑問はそれらの原点になるものかもしれません。ホルモン療法に限らず術後の補助療法は「効果がある」といってもそれはあくまでデータの上で、「ホルモン療法を受けたグループの方が再発率が低い」という結果なので患者さん個人に当てはめれば「全てか無か」でしかないわけです。後々まで再発しないという結果だった場合、ずーっと薬の効果が続いたからなのかは現時点では証明できないのです。(つまり、ホルモン療法によって再発を防げたのか、あるいは何もしなくても再発しない病状だったのか・・・現在の医学ではそこまでを事前に見分けることはできません。だから確率論にかけて治療を行うしかないのです)
ホルモン療法にしても術後の化学療法にしても「この治療を受ければ必ず再発しない」と言い切れるものではありません。自分が術後の治療に何を求めたいのか、それによって得られる利益は副作用による不利益を上回るものなのか・・・結局最後は自分で決めるしかない、医療者は情報として提示するしかないのですね。また、医療者は患者さんの価値観を尊重することも必要なわけです。

治療方法にいろいろなチョイスがあるからこそ情報が求められるし、その中で自分が主体となって決めていかなくてはいけないことの難しさも改めて感じた勉強会となりました。
そんな中患者会スタッフとなっている私が主体となってできることは、お互いの声をしっかり聴くことではないのかと感じながら帰路につきました。

そういえば3月3日はひな祭りだったので、帰宅後にすぐにちらし寿司ができるように準備をしておき(炊飯器をセットして、五目寿司のタネを買っておいただけですが)最寄駅につくと吸い寄せられるように「崎陽軒のシウマイ」を買ってしまいました。横浜だからどこにでも崎陽軒のシウマイが売ってるのよね~♪