As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

太陽と海のトライアスロン

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8月23日の夜「観月祭」の花火を見ました。夏休みの終わりを告げるような花火でした。

さて、今回この日程で帰省した一番の目的は瀬戸内の小さな島で行われたトライアスロンレース観戦」のためだったのです。

トライアスロンと聞くと「鉄人レース」「フツウの人にはできない」と思われるではないでしょうか?
今ではオリンピックの種目にもなっていますが(北京では井出樹里選手が日本人初の5位入賞を果たしました)スイム(海で泳ぐ)1.5キロ、バイク(自転車)40キロ、ラン(マラソン)10キロの超過酷なレースです。

いったい誰がトライアスロンをしているのかというと、義父がやっているのです。

実は愛媛のこの島でトライアスロン大会が始まってから、義父は23年間ずっと参加しているのです。
趣味がトライアスロンって並大抵ではないですよね?!
形成外科医である義父の年に1度の晴れ舞台の話は、私の乳房再建を手がけてくださった先生もその昔(私が夫と出会う前だと思われる)学会で会った時に聞いたことがあるとおっしゃっていました。

私は結婚した翌年にこの大会を観戦しているのですが、その後はご無沙汰でした。
しかし、65歳を過ぎた義父のことを思うと、選手としていつまで現役でいられるか分からないということもあり、引退前に娘がじいちゃんの競技を観戦することにしよう、と決めて帰省したのです。

さて、レース前日から義父は会場となる島に行っていました。前夜祭に参加するためです。
この大会は、アマチュア大会としてはかなり規模の大きいものです。オリンピックを目指すような強化選手はあまり参加しない(たまに招待選手となることはあるらしいけど)し、公式記録となるわけではないようですが、その分幅広い年齢層(最高齢はなんと75歳!しかも完走!)から多くの選手がトライアスロンを楽しむためにやってきます。
やはり、地元愛媛からの参加が一番多いですが、参加選手は全国からあつまり、出場選手男性377人女性53人のうち、横浜市より男性3人女性1人が参加していました(他に東京都、千葉県からも参加)。

そして、当日の朝。
観戦に参加する義母、私たち一家、義弟一家は朝7時過ぎの電車で港に出発し、高速艇を乗り継いで島に向かいました。昨日までの不穏な天気がウソのように晴れ渡っています。
トライアスロンはこの島あげての「島起こしイベント」ですが、レース会場の近くにはいくつもテントが立ち並び、島の人たちが作ってくれた鯛めしやたこめし、おでんやかき氷、島特産のてんぐさから作ったみかんゼリーなどが売られています。朝ごはん抜きでここまで来ているので、鯛めしがことのほか美味しく感じられます。会場では既に地元の小学生によるスイムとランのジュニア大会が始まっています。

いよいよレース開始時間が近づき、スイムスーツを着た義父が現れました。
地元のテレビ局やメディアも取材に来ています。出発前に義父が娘と姪を抱き上げたのを地元テレビカメラが写していたようでした。レースのスタートを告げるのは松山市長です。

選手たちが最初の「スイム」に出てしまうと、しばらくあがってこないので子どもたちは水着に着替えてビーチで遊ぶことにしました。
私の実家の九十九里海岸とは透明度がまるで違う瀬戸内の穏やかな海ー

ああ、こんな時はサザンが聴きたいっ!(湘南じゃないけど)


義父が海から上がってくると、スイムスーツを脱いでバイク用のユニホームに着替えて出て行くのを見送ってから、バイクが終わりそうな時間までビーチで遊んでいました。そして、最後のレース10キロのランが始まって-やはりこの大会は「お祭り」でしょうか?ウルトラマンのコスプレの姿で走っていく選手がいました。会場では、入ってくる全選手のゼッケン番号と名前、どこから参加しているのか読み上げられています。
まだまだ多くの選手がこれからランに入ろうというところで、既にトップ選手はゴールしています。ゴールする選手がだんだん増えてきましたが、ゴール近くで待っていた子供の手を引いてゴールに走っていく選手が何人か現れたのです。

その様子を見ていた義弟がある作戦を考えました。
そう、ゴール近くに娘と姪を待機させることにしたのです。
レースが始まってから既に3時間近く-昨年のタイムから考えるとそろそろ義父が戻ってくる時間です。
そして、昨年よりややタイムを落として義父がゴール地点となる広場に入ってきました。フィニッシュラインまで広場を1周します。しかし、視界に孫たちが入っていないらしく、さっさと通り過ぎようとしました。すると姪が後を追って走り出し、ついで娘も走り出しました。
すると会場の実況中継?!が「このまま気がつかないでゴールまで行ってしまうのか?!お子さんか?いやお孫さんか-?!」その声に義父はどうやら気がついたらしく、まず姪の手を取り、ついで娘が追いつくのを待っているうちに1人後ろから来た選手に抜かれてしまいましたが、娘の手をとって両手につないでゴールしました。
ゴールについた選手たちは、その場で島の人たちからスイカを振舞われ「走ったから」ということで子供たちまでもスイカをもらっていました。

レースの後は島の人たちに美味しいお刺身やサザエなどをご馳走になり、島の人たちの暖かさに触れて戻ってきました。娘はレースのことを覚えているかどうか分からないけど、いつもは義母だけが応援に駆けつける中子供や孫たちに囲まれて忘れられないレースになったと思います。