重力ピエロ
先日見た作品です。原作を知らないで鑑賞したので、素直に映像世界へと入っていけました。
「春が二階から降ってきた-」
「春が二階から降ってきた-」
遺伝子を研究する泉水(加瀬亮)と芸術的な才能を持つ春(岡田将生)は、一見すると仲の良さそうな普通の兄弟だ。そんな二人の住む街では、謎の連続放火事件が発生していた。泉水と春は事件に深く踏み込み、家族を巻き込みながら次第に家族の過去にも近づいていくのだが……。 作家・伊坂幸太郎のベストセラー小説である、傑作ミステリーの映画化作品。数々の伏線を基に、一つに絡み合ったすべての謎が解けたとき、過去から今へとつながる家族の真実が明らかにされる。物語の核となる兄弟役に挑むのは、『それでもボクはやってない』の加瀬亮と『天然コケッコー』の岡田将生。主人公の両親にふんするのは、小日向文世と鈴木京香。監督デビュー作『Laundry ランドリー』で高い評価を得た、森淳一の演出手腕にも注目したい。
伊坂幸太郎を知らなかったなんて・・・本当に私の活字離れは「これでもか」というほど進んでしまいました。去年の「バチスタ」や「容疑者X」をきっかけに海堂猛さんや東野圭吾さんのミステリはいくつか読んだのですが・・・図書館に行くと「貸し出しまで十数人待ち」だったりしてモチベーションをなくしちゃうこともありました。もし原作を読んでいたら、きっと映画化に際してすごく期待を膨らませてしまったでしょうけど、今回は最初は余り興味が無かったのに、Yahooで特集なども組まれていたのでチラリとみたら「面白そう」だったので行ってみたところです。そして「映画を見たからには原作を読みたい」という気持ちにさせてくれる作品でした。
原作は「ミステリー」ですが、映画のほうは「いかにも謎解き」といった雰囲気ではなく、家族の絆を主軸においたヒューマンドラマっぽい感じでした。母の過去の話などが現在起こっている連続放火事件にからんで断片的に登場するので、誰が犯人なんだろう?ということばかりにエネルギーを費やさないでみることができました。そして、登場人物が「原作そのまま」でそれぞれの持ち味がしっかりでてるんだろうなと感じました。
加瀬亮さんはドラマ「ありふれた奇跡」のショウタさんの時みたいなちょっとイケてないオドオドっぽりがよかったし、岡田将生さんは兄とは対照的なキャラでとてもさわやかです。そして2人の父を演じる小日向文世さんの演技はやっぱりすごいですね。決して派手ではないんだけど、どの役にもその中に入っていける本当の実力ある俳優さんですね。
レビューサイトでの評価もそこそこ高いですし、近年の邦画は秀作が増えたなあと思いました。