As You Like It     ~気が向くままに~

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田中好子さん逝く-定期診察

 
昨日の朝、NHKの「アサイチ」で「女ざかりのがん」を特集していました。
治療、お金、家族…女性特有のがんは30代から発症が増えてきますから、男性以上に「仕事や子育て真っ最中」の期間に病気と向き合うことが多くなります。そして、スタジオにはVOL-Netのスタッフで本職が医療ソーシャルワーカーの大沢さんと、VOL-Netのメディカルサポーターで、私も若年乳がんに関するインタビューなどでお世話になった高橋都先生がいらっしゃいました。

そしてさらに昨夜衝撃が走りましたよね…
キャンディーズ田中好子さんの訃報です。
緊急地震速報が鳴り響く中、病院前で記者会見が行われましたが、亡くなった原因が19年前に発症した乳がんだと言うのですから…19年前といえば、初発が35歳の時だったという訳です。そして芸能リポーターは誰もそのことを知らなかった…

私はキャンディーズが現役の時の記憶はあまり無いですね…幼稚園時代に流行ったのはピンクレディーの方が印象があります(UFOとか、よくマネして歌ってました)。スーちゃんというよりは、女優の田中好子さんのイメージが強いです。

なんとも重苦しい気持ちになりながら、今日は診察予約が入っていたので銀座のクリニックに向かいました。
いつもなら中国人観光客のバスが何台も止まっているのですが、それもなく平日の銀座は閑散としていました。

主治医のK先生は、診察室に入ると「あの時(震災が起こった時)何してたの?」と聞いて来られて、あの日はクリニックの患者さんも帰れなくなって大変だった…でも深夜になって地下鉄だけは動いたのよなどとおっしゃっていました。
また、原発事故のことも「日本では一般の人が浴びていい放射線の量は年間20ミリシーベルトだっていうけど、がん患者さんは放射線治療や検診でもっともっとたくさんの放射線を浴びているし、あの基準値は特に乳幼児が気をつける値なのよ。全国民に画一的に同じ値はどうかしら?それに世界には自然からの放射線が年間100ミリシーベルトになるところにもたくさん人は住んでいるし、飛行機の乗務員や宇宙飛行士が受ける放射線量は一般よりずっと多いですよ」とおっしゃりながらエコーをしていました。
「どの情報をどう信じたらいいのか分からない集団心理も働いているんでしょうね」と私も答えながら、エコーは無事に終わりました。

それから先生は田中好子さんの話にも触れられ(私が「朝のワイドショーでは、19年前に左胸を手術した後、同じ側や右側にたびたび再発して、その都度治療したと言ってましたよ」と言ったら先生も「何もなくいきなり19年後に遠隔転移はちょっと考えられないので、合間に何かあったと考えるのが妥当でしょう」とのことでした)今回の田中好子さんの死去は、乳がんが長く観察しないといけない病気だということを示していると思う。他のがんでは、19年前の初発のがんで死に至ることはほとんどないけど、乳がんではそういうことがあるし、でも今は何か出てもその都度抑えていけるので、生活を長く保てます。もう手術から何年経ったからと勝手に検診を辞めてしまうのではなく、術後検診はずっと続けて欲しいです。とおっしゃっていたので、私も「娘もいますからこれからもずっとお願いします」とお願いしました。
私が今でも受けている検査は、4ヶ月に一度の乳腺エコーと採血、年に一度のマンモグラフィー、胸部X線、腹部エコーなので職場の健康診断などとほとんど変わりはありません(CTやPET、骨シンチはこれまでの術後経過により対象外です)。次回は夏に術後11年検診ですが、実は年齢的にはますます好発年齢に近づいていますので(むしろ遠隔転移より対側の原発にも注意して)、やはり欠かさずに続けていこうと思います。この病気は、具体的な再発防止策はなく、人生楽しんで検診を受けることしかできることは無いので…でもコレってがん体験者に関わらずみんなに言えることですよね!?

最後になりましたが、田中好子さんのご冥福をお祈りいたします。