As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

ちはやふる

娘は学校で「冬休みにはお正月の遊びをするように」と言われてきました。
正月遊びと言ったらかるたかな・・・とまずは思ったのですが、かるたの頂上決戦といえば毎年近江神宮で行われる名人戦・クイーン戦」のことでしょう。
そして今、決してメジャーとは言えない「競技かるた」を題材としたアニメ「ちはやふる」がオンエアされていて、私も欠かさず見ているのですが・・・
(原作漫画もかなりのヒット作だそうです)
 
競技かるたが爽やかに、まるでスラムダンクみたいに描かれている!
 


 
実は、これまで明かさなかったワタクシの過去の1つなのですが(笑)、

10代最後の1年を、ワタクシは競技かるたと共に過ごしたのでございます♪
 
私が百人一首というものを知ったのは多分小学校の高学年の頃、紫式部清少納言の名前もそこで初めて知りました。

めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかな 
 
紫式部の歌ですが、真っ先に覚えたものかもしれません。
その後高校生の時の得意科目は「日本史と古文」だったのですが・・・どうにかこうにか苦手な数学をやり過ごしつつ理系に進み、女子大に入って生物を専攻することになったのでした。
そして、入学式で大量にもらったサークル勧誘のビラの中に「かるた」の文字と十二単の姫君のイラストが描かれたものがあったのです。
 
女子大の学生が彼氏を見つけようと思ったら、なんといってもサークルがいちばんの出会いの場所。
T大学やK大学やW大学と一緒に活動するインカレ・サークル♪
そしてなんといっても花形はテニスでした。
 
しかしながら、運動能力が破壊的に鈍かった私にはよもやテニスサークルは務まるまい。
音楽系は、学内の学生だけで小ぢんまりとやっているピアノサークルに入ろうと思っていたから、もう一つインカレ・サークルで音楽系じゃないものに入ってみようか・・・かるたね~子供の遊びみたいにいろはがるたじゃなくて百人一首。百首覚えるのもさほど苦労はしないだろうし、古文や日本史が得意だった私にはピッタリかもしれないし。
というわけで、インカレサークルの「かるた会」に行ってみることにしたのでした。
 
しかし・・・ 
かるたはまさにスポーツだった。
それも、敏捷性と瞬発力が必要とされる、ワタクシにはもっとも向いていないスポーツだった・・・
ということを私はすぐに思い知らされることになったのでした。
 
百首覚えるなんてのは朝飯前であって、それをどうやって自分の陣に並べるかということやどんな作戦でいくかということはアタマを使うところであって、あとは札が読まれた瞬間に手が動くこと、払うこと-
普段の練習会でもサッパリ上達の兆しがない私に先輩方はやきもきするようになり、同級生にも次第に遅れを取るようになっていきました。

公式戦というのも割りと頻繁にあって、まぁ首都圏で行われるものも多いのですが、時には遠征(学生なので夜行の鈍行で行くことも)もあり、また会場では地方の高校生たちが来ていることも多かったのです。そんな中で「この子小学生なのにどうしてこんなに強いのかしら?」とビックリするような才能ある子も見たのですが、つい最近「ちはやふる」からネットサーフィンしていたら、成長した彼女はクイーン戦に挑戦していたことが判明-

そんな中、私は公式戦でも一勝もできないわけですよ・・・高校生にも何度も負けましたねぇ(泣)
 
入会した頃と比べて、テンションは急降下なワケです。
 
私の中でテンションが下がってしまった理由は、実はもう1つありました。
それが「ちはやふる」の世界と現実に当時見た世界の違いといいますか・・・
女子は千早ちゃんみたいな子、かなちゃんみたいな子も現実に多かったと思うのですが、

太一みたいな爽やかなプレイヤー、いたかしら?
 
ちはやふる」の競技かるたの風景って、爽やかなスポーツ☆青春って感じですが、
・・・道を歩きながらあの「素振り」が繰り広げられる、気がつくと話題がかるたの札になってしまう・・・
特に男性はのめり込みやすい傾向にあり・・・
うん、少なくとも瑞沢高校かるた部にいるような男の子はいなかったな。
なんだか・・・思っていたのと、違うよ(以下略、心の叫び)
 
そんなに爽やかな青年と出会いたかったら、スポーツのサークルに行けって感じですがそれもできず・・・19歳の時のワタクシはグダグダと悩んでいたワケです。

その間にも公式戦での負け数は積み上げられていき、大学1年の終わりを前に自分の中でラインをひきました。
「次の大会で初戦敗退したら、辞めよう」
その言葉どおりに、わざわざ大阪まで行ったのにあっさり初戦敗退した私は、今は亡き懐かしの大垣夜行で東京に戻ってくると、すぐに退会届を出しました。

それから現在まで更に19年近く経っているのですが、それっきり百人一首に触れたことはないままです。
 
だから「ちはやふる」を見ながら今となっては懐かしい1年間のことを思い出していたのでした。
あのサークルで知り合った人とは、もう誰とも連絡を取っていませんが、お元気でいるのでしょうか?今も現役のプレイヤーなのでしょうか?
結局家には百人一首も子供用のいろはがるたもありませんが、もう何年か経ったら百人一首かるたを買ってみようか、そして娘と「坊主めくり」でもしようかと思うのであります(だから、今年は学校から言われた「正月遊び」は福笑いでもやることにするかな)。
 
ちなみにかるたを辞めた後ですが、
やっぱり「昔取った杵柄よね」と思い、2年生からはこれまたインカレ・サークルの合唱団に入り、1年の時から続けていた学内のピアノ・サークルと合わせて2つの音楽系サークルを続けました。合唱の方は学部卒業と同時に終わりましたが、ピアノの方は卒業後も続き、毎年秋に開催されるOG演奏会に出ていることは以前にも書いています。

それと、実は私にはかるた会の時に少しの期間お付き合いしていた方もいたのですが、私が辞めたあとはいつしか自然消滅し、結局合唱のインカレ・サークルでも彼氏ができることはなく、大学4年の時に夫と出会うことになったのです。
 


 
なんてことを、本当に「激動の年」であった2011年の最後に書いてしまいました。
これは私が毎月編集しているVOL-Netの会員さん向けメルマガに書いた編集後記の一部分ですが、
3.11の前と後では年が変わったようで、その日を境に価値観やものの見え方が変化しているような感じもしています。
そのような中、今年の漢字にも選ばれた「絆」を感じられる場面も多々あったように思います。
絆と言うと家族を連想するかもしれませんが、地域、職場、旧友、そしてネット…ふと周りを見渡すと、人々のつながりを暖かく感じた年になりました。
人と人との暖かいつながりがあること、笑いがあること、それが復興へもつながっていく-
来たる2012年はもっともっとそうであってほしいと願っています。