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「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

リヒテンシュタイン展 ~華麗なる侯爵家の秘宝~

明日から「クリスマス連休」になる方も多いのでしょうか?
今夜は年内最後となるプチVOLサロンに行ってきました。来年も微力ながらですが、行ける時に顔を出しますので、病気のこと(もちろん違うことでも)を気兼ねなく話せる場にしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今年最後の「美術館ばなし」は国立新美術館で23日まで開催されている「リヒテンシュタイン展」です。

子どものころから社会科の地図帳を飽きずに眺めていたので、ヨーロッパには小さな国がたくさんあって、リヒテンシュタインという国があることは知っていました。でもその国が今でも侯爵家が治めている国で、そしてこんなにたくさんの素晴らしい美術品を持っているとは知りませんでした。

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今回は、国立新美術館初の「天井画の展示」もあるということで見に行ってみました。
もとはオーストリア・ハプスブルグ家の貴族であったリヒテンシュタイン侯爵家は、ウイーンにある「夏の離宮」で美術のコレクションを展示しています。その様子は、一般的な美術館の展示とはことなって、バロック期の宮廷の雰囲気をそのままに残しています。それにならって、今回の展示では「夏の離宮」の室内装飾と展示様式に基づいた「バロック・サロン」の部屋がありました。
天井画が飾られ、室内には家具調度品とともに美術品が展示され、それらには作品名や解説を示すプレートは付きません。解説は配布された別紙に書かれていて、侯爵家の華やかな雰囲気に浸りながらコレクションを見て回りました。
 
それから、リヒテンシュタイン家が誇る、ルーベンスのコレクションです。
ルーベンスの絵で有名なものは、フランダースの犬に出てくる「聖母被昇天」で、この絵の下絵が「フェルメール真珠の耳飾の少女」が目玉となった「マウリッツハイス美術館展」に出展されました。
今回は、上に写真(絵はがきです)をあげたルーベンスの愛娘を描いた「クララ・セレーナの肖像」が一番の見せ場となっていました。この作品、予想以上に小さな額に収まっています。
 
そして、珠玉の絵画コレクションへと続きます。
ルネサンス時代から、バロックレンブラントやヴァン・ダイクなど)そして18世紀末~19世紀にかけての新古典主義の作品までが展示されていました。マリー・アントワネットの画家として名をはせた女流画家ヴィジェ・ルブランがフランス革命の後に各国で肖像画家として活躍し、リヒテンシュタイン侯爵夫人をモデルに古代ギリシャ風の装いで描いたものもあります。
 
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この展覧会、最初は「今年はフェルメールを見る機会が多かったし、古代エジプトも見たから、他にまで広げすぎない方がいいかな」と思って展覧会が始まったばかりのころはあまり積極的ではなかったのが正直なところなのですが、リヒテンシュタイン家のコレクションのすばらしさに圧倒されて帰ってきました。
来年も良い作品がたくさん来日すると思うので、機会を大切に鑑賞したいと思います。