As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

羊と鋼の森

いやあ、まさかねぇ…
まさかですよねぇ…
トランプ大統領、ホントのことになっちゃった
究極のアメリカンドリームっていうか…他国の選挙がこれほど日本国内で注目されたことが他にあったでしょうか?
そしてトランプの息子のバロン君、美少年ですねぇ…トランプさんが演説している隣で超眠そうな顔して立っていましたけど、現地時間で午前3時だったそうですから、寝かせてやってよって感じです。

さて、一気に真冬の寒さになってしまいましたが、11月はまだ「秋」というくくりになっているかと思いますので、珍しく「読書の秋」でいきたいと思います
が、前置きは長大ですよ…♪

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10月半ばに、毎年下手の横好きの一環として参加している女子大時代のサークルOG会のピアノ演奏会の本番が無事に終わりました。
打ち上げは昨年と同じ「帝国ホテルのアフタヌーンティー」ではなく別のお店だったのですが、やっぱりここまで来たら帝国ホテル行きたいよねと言って2次会は帝国ホテルのラウンジになりました。
ちなみに「今年の1曲」はベートーヴェンソナタです。

その翌週、演奏会に集まったメンバーがふたたび集まりました。
「ピアノ構造セミナー」を聴くためです。
セミナーは横浜の外れにある小さなピアノ専門店の中で開かれました。講師はこのお店の店主で著名なピアノ調律師の方で、彼を個人的に指名してコンサート前に調律を依頼する演奏家も数多くいるとのことでした。

外国では音大、音楽院等でピアノの専攻すると必ず「ピアノの構造」について学ぶそうですが、日本の音大ではカリキュラムにありません。それらは調律師を目指す者が養成所で学ぶのです。
ピアノって、鍵盤楽器ですが、弦楽器でもあるのです。鍵盤を押すとハンマーが弦をたたくのです。家庭に電子ピアノが置かれることも多い現在、それすら普段は意識しなくなっているのです。管楽器や弦楽器だったら、演奏者が楽器の構造を知っていて自ら調整するのですが、ピアノの場合音のメンテナンスは調律師に任せきりですから。
そして、調律には「音の成分」の中の「基音」を基にした調律法と「倍音」を基にした調律法があり(音の成分については、波動とか物理分野の話も出てきて複雑になるので割愛します)調律法によって音やハーモニーが全然違うのです。
音の立ち上がりがはっきり鋭く聞こえるものや、遠くに伸びるような音、そして和音となった時に美しいハーモニーとなる音…♪
ホントにね、ピアノをこれまでやってきて何でピアノの構造とか調律のこととか考えなかったんだろう?それにピアノの音色は調律だけではなく、弦や外枠を作る木材、もちろん演奏者の弾き方によって変わります。「電子ピアノではなかなか上達しない。子どもがピアノを習う時に電子ピアノで練習すると続かない」と言われるのはそのような背景があるからです。電子ピアノの音色やタッチがどんなにホンモノに近くなっても、電子機器であることには変わりません。弦楽器にはなれないから、弾き方が上達しないのです。どんな風に弾いても変わらない音色に飽きてしまうのです。

セミナーが終わった後は時間の許す限り店内のピアノを試弾させていただき、賑やかにお店を後にしました。
「電子ピアノはダメなのは良く分かったけど、やっぱり夜中にヘッドホン付けて練習することも多いし、マンションに住んでたりするとますますホンモノのピアノは無理だよねぇ…」
「それに先立つものがねぇ…

私が1998年にボーナスをはたいて買った当時としては最新版のヤマハクラビノーバは今でも壊れる気配なく音を奏でておりますので、当分弾くことになりそうです。

お店を出る時に「お土産」としていただいたのがこちらです。

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ピアノのハンマーで作ったキーホルダーなのです。
ハンマーは木材と羊毛フェルトを固くかためたもので出来ていて、これが弦を叩くのです。

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家に戻った私がこれを見せて、家族みんなで読んでしまったのが、今年本屋大賞に選ばれた「羊と鋼の森(作 : 宮下 奈都」です。

ピアノ調律師の青年が成長していく物語です。なぜ調律師の話のタイトルが「羊と鋼」なのか、これまでの長文で分かるかと思います。
文章が、音楽を聴いているみたいにとても心地よく感じられます。ピアノの調律の話を聴いたばかりだから、すごくリアルで身近に感じられて、読み終わっても余韻が残っているようでした。主人公と双子の姉妹のこれからが明るいものでありますようにと願って本を閉じました。