As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル

8月も今日で終わりです。が、暑い
猛暑に始まり猛暑に終わった8月でした・・・
さて、こちらの作品は6月初旬に見たので約3ヶ月遅れのレビューです。あまり上映しているところがなかったのでわざわざ都内まで行っています。

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貧しい家庭に生まれ、厳格な母親ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)に育てられたトーニャ・ハーディングマーゴット・ロビー)。フィギュアスケートの才能に恵まれた彼女は、血のにじむような努力を重ねて、アメリカ代表選手として1992年のアルベールビル、1994年のリレハンメルオリンピックに出場する。ところが、元夫のジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人がトーニャのライバルだったナンシー・ケリガンを襲い、その後彼女はフィギュア界から追放されるが……。
第75回ゴールデン・グローブ賞作品賞(コメディー/ミュージカル)にノミネートされたほか、さまざまな映画賞で評価された伝記ドラマ。五輪代表に選ばれながら、ライバル選手への襲撃事件などのスキャンダルを起こしたフィギュアスケータートーニャ・ハーディングの軌跡を映す。監督は『ラースと、その彼女』などのクレイグ・ギレスピー。『スーサイド・スクワッド』などのマーゴット・ロビー、『キャプテン・アメリカ』シリーズのセバスチャン・スタンらが出演。

まだ浅田真央ちゃんが出てくる前、1994年のリレハンメルオリンピック前にフィギュアスケート界を騒然とさせた、アメリカのトーニャ・ハーディング選手陣営がライバルのナンシー・ケリガン選手を襲撃した事件、私もよく覚えています。ハーディング選手は本人が襲撃に関わっていないということでなんとかオリンピックには出られたものの、演技途中で靴紐のトラブルに見舞われ、ベストとは程遠い成績に終わってしまい、ケリガン選手は銀メダルに輝いたのでした。そして、オリンピック後にハーディング選手はスケート界から追放されたのです。

この作品では、ハーディング選手がスケートを始めてから追放されるまでの波乱万丈の半生が描かれています。
フィギュアスケートはお金のかかるスポーツとして有名ですが、彼女はむしろ貧困層の生まれでした。が、彼女の母は娘の才能を見いだし、有名なコーチに付けることにも成功しました。ただし、母と娘の目指すところには決定的な違いがありました。母は娘を「金のなる樹💰」としか見ていなかったのです。

トーニャは母の思惑どおりにスケートの技術を上達させます。そして、アメリカ選手として初めて「トリプルアクセル」を公式大会で成功させたのです(世界で初めて成功させたのは、もちろん我が🇯🇵の伊藤みどり選手です)。トーニャがトリプルアクセル成功者だったというのは、この作品で初めて知ったことでした。
だけど運はトーニャの味方はしません。アルベールビルオリンピックでトーニャはトリプルアクセルに失敗して4位になってしまいます。この時トリプルアクセルを成功させて銀メダルに輝いたのが伊藤みどりさんでした。銅メダルがナンシー・ケリガン選手だったのです。
トップクラスの選手の闘いでは本人の努力はもちろんのことですが、どうしようもない運命に翻弄されることもあります。それにしても、トーニャは周りの環境も悪すぎたように思います。母しかり、元夫しかり。それにトーニャ自身の甘えがあり、逆境を跳ね返すバイタリティーがなかったことが、彼女を転落させていきました。トーニャ、母、元夫三者三様の演技はどれも怪演でした。

そういえば、この映画ではアルベールビルリレハンメルと2回のオリンピックシーンがありましたが、その時出場していた伊藤みどりさんも佐藤有香さんも出てきませんでした。そして現在までにオリンピックでトリプルアクセルを成功させた選手は伊藤みどりさん、浅田真央ちゃん、長洲未来さんだけです。長洲未来さんはアメリカ国籍ですが、DNAは純日本人です。
日本人のスケーティングはやはりスゴい❗今年のシーズンも楽しみですね。