As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

横浜のある町

夫の学校も今日から部活の練習が再開です。休み最後となった昨日は横浜に行って来ました。私の実家はこの夏は入院中の祖母を今後どうするか(今いる病院は公立なので長くはいられません。でも自宅での介護はもう限界の状態なので方法を探しています)で大変な状態なので一段落するまでは帰らないと決まりました。こういう時、私が行っても手伝いどころかかえって世話をかけるだけなのです…

さて、横浜ですが最初に「カレーミュージアム」に行きました。いろいろ食べ比べた後(娘にはカレーうどんを洗って食べさせた!)、腹ごなしに元町まで歩こうと、伊勢佐木町松坂屋の前から歩き始めました。
繁華街もだんだんとぎれ、マンションなどが出てきます。公園の前を過ぎ、体育施設があり、高校が右に見え…そしていくつめかの通りを渡った時-

始めはタイムスリップでもしてしまったような感覚にとらわれました。
がらりと風景が変わったのです。○○荘、簡易宿舎と書かれた古い建物の乱立、沿道の酒場、労働福祉会館、そして歩道で生活する人々…いつの間にか私たちは車道の真ん中にいました。走っている車はありませんでした。
いつかテレビで見た光景を思いだしました。宮部みゆきさんや遠藤周作さんの小説に、東京にあるそんな町の光景が書かれていたことを思い出しました。歩道に洗濯物が干してある風景、そして匂いが違いました。私たちは無言のまま歩くピッチをあげました。夫の頭には地図が浮かんでいました。前方数百メートルの高速道路の高架下まで行けば川がある、それを渡れば石川町駅はすぐです。

ここにはここの人々の生活がある、何か話をしてはいけないような気持ちになりただ早足に道を渡り、高速の下を通って川を渡ると、ありふれた商店街にたどりつきました。

港町として発展してきた横浜を下から支えた人々の町があることを夫も知っていました。でもいつしか頭の片隅に追いやられていました。そこは子供のころ「絶対行ってはいけませんよ」と言われた所でした。

私が個人的に感じたことをブログに書くべきではないでしょう。

横浜の、そして日本のもう一つの現実です。
長引く景気の低迷で厳しいことの多い町かもしれない、でも人はそんな中でもしなやかな強さを忘れないだろうと思いました。