As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

天国で君に逢えたら

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かねてから気になっていた飯島夏樹さんの著書です。
私は実際に手にとってみて、初めてこの本は「小説」なんだと気がつきました。

国立がんセンターに赴任した若き精神科レジデントの医師・純一は、患者さんがどんなことを考えているのかを探って来いと上司に言われる。しかし白衣を着たままの彼に心を開く患者さんはいない。患者のふりをして病室に入るという作戦も失敗-そんな時スペインから帰ってきた彼の妻、夏子の祖父源三じいさんが出したアイデアとは・・・かくして国立がんセンターの中に「手紙屋HEAVEN」がオープンした。
純一の手紙屋には、家族に思いを伝えて欲しいという患者さんが次々に訪れる。そんな中にサーファーくずれの、今はハワイに妻と幼い子供を残した30代半ばのすい臓がんの患者、シュージがやってくる。

筆者にとっては初めてとなる小説なのでしょう。レビューにも出ていますが、正直彼の人生の背景がなければ小説として出版されたのか疑問も残ってしまいます。
でも、まだまだ人生にやりたいことをたくさん残してこの世を後にしなくてはいけなくなった彼の愛する家族への思いがたくさん詰められていることをひしひしと感じます。これは家族に向けたメッセージです。
大事なのは「どれだけ」ではなく「どう」生きたかですから。

1月28日は私の大切な友人が遠い遠いところに旅立った日です。
あの日から、3年が過ぎました。3年という月日は、私の身の回りの環境もずいぶん変えてしまいました。
でも、いつまでも彼女が遠くに行ってしまったような気がしないのです。
きっと姿は見せないだけで、いつもそばにいて私が何をしてるのかなんてきっとすっかりお見通しだろうと思うのです。

小説の中に出てきたハワイのどこまでも続く青い空と海、きらめく砂浜・・・彼女が好きだったものばかりです。きっと彼女はいまではイルカになって青い海の中で歌っているはずですよ。
もし手紙屋さんがいたら、私の気持ちを届けてくれないかな・・・