As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

で、私はどうしたいのでしょう?

昨日のブログ、セミナーの内容で一旦切りました。
が、寝る前に「自分はどうしたいの?」とつらつら考えておきたい、ともう一本記事を書くことに。

そう、私はコーチの話を聞きながらつらつらと考えていたのです。
まさに老若男女、さまざまなバックグラウンドを持った人々が集まった産業カウンセラー養成講座と、このコーチンセミナーの最大の違いは「ママをターゲットとしたセミナー」ということです。
もちろんモチベーションの高い人の集まりではありますが、やはり基本は「ご近所のママたちが集まって作るもの」このことが私の中に自然に「心の境界線」を引かせていました。

事前に「受講生同士、お互いをシェアするために、ハンドルネームやブログのアドレスを聞かせてください」とアンケートがありました。実際、ブログのアドレスを記載してきた人は8割近くになります。
が、もちろん私は「ブログはやっていませんし、ハンドルネームもありません」と無記入に。
セミナー後の昼食会では、みんなブログのアドレスや現在やっていることなどを名刺にしたものを配って歩きます。それをいただいて「こんなことされてるんですか~」と感心する私。「何かやってないの?」と聞かれて「カウンセリングの勉強」の話はしたけれど、動機については語りません。話しててちょっと不自然に思う自分がいます。
セミナー中のワークタイムでも、本当なら乳がんにまつわることが一番の出来事だけど、もちろんそれは黙ったまま「無難な線で」話を探します。私の中では、知らず知らずのうちに、みんなを「境界線の外」におき、期間限定と割り切ってのお付き合い、というスタンスになっていました。

もちろん今の私には「ふるぼう」としての自分を公開しようという意図はありません。
でも、守秘義務」があるセミナーという場で本当の意味での自己開示をしないこと、本当の自分として、あのことを語れないのはどこか作っているようで無理している、苦しくなる時がある、なんだかセミナーに集まった人たちのことを信用していないみたいな気分にもとらわれます。そう、見えない線が見えているような錯覚にとらわれます。
カウンセラーとしての自分には「自己開示」が大切なこと、自分を偽ったままのカウンセラーっていうのもどうなんでしょう?と思います(でも、カウンセラー実習のメンバーには、病気について詳しくは語っていないけど「かつてがんを患った」こと、それと受講動機が大きくリンクしていることは言ってあります)

それでも、なんでも。

やはり、「がん」って日常に突如入り込むには重いよ、と思うのです。

私自身は患者、体験者としての立場に身を置いているわけですが、病気のことを開示することがネガティブに働いた事例は多いです。世の中全ての人が病気の自分を受け止めてくれるわけではありません。「人は人」と簡単に割り切れない部分があります。受け止めてくれない人の間で興味本位のうわさにされたとき、もっともっと傷つくのは自分。傷つくって、大きなストレスだから病気にはよくありません。
それに、今の日本の社会では、病気を開示して再就職したいと思っても、まず差し支えるでしょう。まだまだ社会はそんなもの。それだけでなく、子供を介しての付き合いがある人との関係では、子供の世界にも影響する可能性があります。そんなこともあるから私を含めて、みんな「よほど信頼できる人」にしか言わないのでしょう。私のようにHPなどで発信しても、身近な人には言わなかったりするのでしょう。

いろいろ考えていると、
「やはり、病気のこととそれ以外を分離して考える自分が一番傷つかない」
と思うわけです。今のスタンスが一番楽かな、と。
同じ病気を経験してから出産した「術後ママ」たちとのやりとりでもそんな話題が出たりします。

私は、自分からの発信はこのブログやふるぼうのページ本館、VOL-Net、通っているクリニックなど既にしろいろ機会があります。また、既に何もかも知っている友人たちとのやりとりなどでも発信しています。で、今のところ発信に関するエネルギーはそちらの方で精一杯、と言った感じです。
これまで一緒にコーチングの場を作ってきたとはいえ、ママたちとの関わりにおいては、境界線が引かれてしまう(病気のことを境界線と思わなければいいことなんだけど)傾向にあるのですが、今の自分のキャパを考えると、それこそ「人は人、私は私」なんですよね。
だって、そもそも自分にキャパがないから、会社辞めたんだし。

セミナーではもちろんみんなに言ってないことだけど、私の強みの1つが

「がん」を経験して、人生経験を1つ積んだママである

ということ。やはり世の中探しても、少数派ですよ。
そして私は、そういう自分を受け入れてくれる場では、そのままの自分らしくいようかなということです。「境界線?」を外すのって、無理しても外れないと思う。だって無理して外したら、また回りのことが気になってしまうのでしょう。これまでどうやってお付き合いをしてきたのか、「無理に、お互いのことさらけ出しましょう」って努力しながらやってきたことじゃないです。日常のお付き合いの中で、いつしか「この人にならいいかな」ってさらけ出した時に、自分のことを話せる友人になるのでしょうから、今後の私にもそういう相手と出会うチャンスはあるわけなんです。それまでは、今まで通り病気のことを外したお付き合いでも無難に楽しめているのだから、それでいいかなと思います。

乳がんは、他のがんが「5年」で一応治癒とみなされるのに対し、「10年」が一応治癒ラインであるというのが大きな違いです。だからそれだけ息の長いお付き合いになるってわけ。
案外10年経った時、ごく普通に出せそうな話題になるかもしれません。

コーチが昼食会を途中退席するので、私は慌ててコーチにVOL-Netで作ってくださった名刺(裏に「ふるぼう」の自己紹介もしている)をお渡ししました。今の段階ではコーチだけが、全ての私を知ってくださればいいと思うので。
こんなこと考えたらいけないんだけど、受講生始めコーチとつながりのある女性はたくさんいます。「乳がん検診を受けたい」「乳房にしこりを発見した」-そんな時に私につながってくれたら、これまで発信してこなかった私なりの発信をしたいと思います。