As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

富山の置き薬

今日のお昼過ぎにやってきたセールスマンが、「富山の置き薬」(ナントカ配置薬という会社の東京支社の人)でした。
「薬箱を置いていただけませんか?」と。

富山発祥の歴史も古い「置き薬」とは、あらかじめ各家庭に薬箱を配置し、使った分だけ料金を支払うシステムです。数ヶ月に1度置き薬のおじさんが来てどれくらい使ったかチェックしていくそうです。
で、昔は薬を補充しに来る時に子供にはお土産に「紙風船」を置いていってくれたという懐かしい思い出がある人も多いようです。私の実家にはこのような置き薬はなかったのですが。
この薬、大手メーカーの製造品とは違いますから、ドラックストアなどではお目にかかれません。それこそ、昔懐かしいレトロなパッケージのものも多く見られます。
→こちらのサイトになかなか楽しいパッケージがたくさんありますよ。
http://www.irukahouse.net/~you/toyama/index.html

さて、我が家にきたセールスマンも薬箱を出しました。プラスチックでできたフツウの箱でしたが、「このようになっております」とちょこっと中を見せてくれると、「赤玉はら薬」などなんだか昭和のかほりがただようレトロなパッケージが覗いています。ドラックストアでよく見る薬よりもなんだか効きそうな雰囲気がするのは気のせいでしょうか?

しかし・・・「置いていってください」と言いたい気持ちをこらえて、私は現状を思い出しました。
うちには常備薬の類なら溢れかえっているのです。それこそ救急箱1つになんかまとめられません。
なぜなら、それは私が製薬会社に勤めていたからに他なりません!退職してから時間が経っても、在職中に手に入れた薬はなかなかなくなりません。もちろん私が勤めていた会社は富山の配置薬業ではありませんから、パッケージは極めて現代的な無難なものですが(毎年社員には「常備薬セット」が配られていたのです)。

「申し訳ないんですが・・・常備薬ならたくさんあるんですよ」と申し訳なさそうに断ってお引取り願うことにしました。「置いておくだけでいいんですよ。使わない限りお金はかかりませんから」とセールスの人は言っていましたが、現時点で「ドン・キホーテ」のように圧縮陳列されているこの家には、もはやこれ以上薬箱をおくスペースはないのです。
セールスのおじさんは「分かりました」と薬箱を引き上げていきました。

それにしても、今日の置き薬のパッケージと、背広でぴしっとしていたセールスのおじさんの姿になんだか激しいギャップを感じたのは気のせいでしょうか?置き薬のおじさんと言ったら、なんだかいかにも「薬屋のだんな」みたいなのを想像してしまうのですが。
でも一度、富山の置き薬を使ってみたいと思うことがあります。