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コーディネーター養成講座

今日は立川のパレスホテルまで「第2回乳がん体験者コーディネーター養成講座」に参加するために行ってきました。
この講座は、キャンサーネットジャパン、ソレイユ、日本医療コーディネーター協会、NPO法人ブーゲンビリアの4団体により主催されています。第1回は今年1月に開催されました。

医師と患者のコミュニケーションの不足は、信頼関係を築きにくくさせ、患者自身の選択による最善の医療に出会うことを困難にしています。看護師、ソーシャルワーカー、医療コーディネーターなどの専門職が溝を埋めるための活動をしていますが、その数は大きく不足しているのが現状です。

そこで、コーディネーターの候補者として「ある程度の知識」「経験」「多くの人材」がある乳がん体験者が浮かび上がってきたのです。
この講座では、継続した学習によりポイントをため、一定ポイントとなったところで初級講座が修了、中級講座受講がスタートします。また、ロールプレイの実技試験も予定されているそうです。

そんな一連の講座ですが、今日は「基調講演」「ロールプレイ」が行われました。
ロールプレイでは、いくつかの症例をもとに患者役、コーディネーター役の実技が行われるのですが、コーディネーター役はわざと不適切な対応をしています。
それらについてパネラーの先生方からコメントがありました。

ポイントをまとめてみますと、
「うつ」の状態にある患者さんに「がんばれ」は禁句。まずはつらい気持ちをとことん聴ききる。これは「傾聴」に通じます。

・コーディネーターは「助言者」であって「治療者」ではありません。コーディネーターは治療についての情報提供をすることはあっても治療方法を決めることはできません。患者さんが医師から情報を引き出すための方法を話し合ったり、最善の医療に出会えるよう医師との橋渡し役として方法を考えるのがコーディネーターです。自分の体験はそのための強みとなるのです。

医療機関や医師の推薦などは、ある病院や医師がすべての患者さんにとってベストになるわけではありません。患者さんがどうしたいのか価値観が大きく関わります。特に本人につらい症状がある場合、まずは症状を緩和する方法を探すこと、それから今後の方針について考えるのがよいそうです。

・コーディネーターは、最新のエビデンスに基づく情報を持ち、公平、公正であるべきです。自分の経験は過去のこととして語るのであり、コーディネートするのに自分の経験がかぶさってはいけません。

・患者さん不在のところで決めるのはよくないです。また基本事項ですが、個人情報の保護には充分気をつけるべきです。

ロールプレイの後の基調講演では、体験者コーディネーターとしての資質についての他に、化学療法についての話がありました。この話は「自分の治療に役立てる勉強会」とは違い、コーディネーターとしての知識向上のためです。

あっという間に終わってしまった4時間の講座でした。
私が感じたことは、今学んでいるカウンセリングの勉強と通じる部分もある、しかしコーディネーターは
コンサルティング的な役割も多い、相手の話を聞いて行く中で自分の体験を強みとし、治療に向けて伴走していくイメージができつつありました。
この講座修了後のことはまだまだ未知数です。でも今後もこの病気と関わる人生を送るであろう私には、自分の中に落とし込むことで自分の話す内容にも深みを出すことができれば、それもまた強みを増やすことになるだろうと思った1日となりました。