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患者同士の気軽に話せる場作り体験報告&情報交換会

今日は中目黒スクエアにて、VOL-Netのミニ勉強会が行われました。
午前は「ファシリテート・トレーニング」午後に「患者同士の気軽に話せる場づくり体験報告・情報交換会」があり、私は午後のみ参加してきました。
ファシリテートとは、英語で「促進する、容易にする」という意味です。VOL-Netの「聴き合いの会」ではスタッフがファシリテートをしていますが、そのノウハウを学びましょうというものでした。私は娘の保育時間の関係でこちらは参加できませんでした。今現在進行中のカウンセリング講座ともつながってくるので、午後のプログラムにより興味があったのです。

午後の部も講師役となったのは全てVOL-Netのメンバーです。
まず患者会を作るに当たっての総括的な話の後、3つの具体的事例が話されました。大学病院、地域の総合病院、そして個人開業医での患者会の立ち上げからの試み事例です。3つともVOL-Netのメンバーが自分の通う病院で立ち上げたのですから、みんな行動力があるのですよ、ねえ。
大病院での患者会の立ち上げは、院内で行われる場合、医療者側の協力が不可欠です。ナースに協力してもらうことが多いですが、大きな組織の中、枠内でいかに運営するかというのは時には難しい面があります。医師側にも認めてもらうためには、それなりの年数がかかることも多いです。

個人開業医での事例、というのは何を隠そう私の通う銀座のK先生のクリニックです。クリニックのお茶会を最初に立ち上げたメンバーが話しました。先生に出した企画書が資料として配られたのですが、乳がん患者さんを取り巻く現状と対策、そのために患者自身ができること、お茶会の活動実施概要、ルールなどが書かれていました。先生ご自身は「診療に専念したい」考えですから、はじめは活動を認めてくれているだけでしたが、次第に診察室で患者さんに先生自らお茶会を勧めてくれるまでに信頼を得られるようになっていきました。これもある程度のルールに基づいた規律ある活動が認めてくださったことだと感じています。個人クリニックの特色として、組織そのものが小さいので先生個人の考え方が強く出てきますし、また融通を利かせた運営ができるということがあります。

患者さんが集まったり話をしながら自分の気持ちを開放する、というのは今の時代ですから例えばネットでもできますし、オフ会などにもその効果が現れています。オフ会に参加して、同じ経験をもつもの同士で「気持ちを分かってもらった」体験は忘れることができません。今回はそれらをさらに飛躍して、ある程度の会としての組織を作っていくための話になりました。「患者会」の役割には、「癒し」「おしゃべりサロンなどグループカウンセリング的なもの」から「情報交換、情報提供」など多くの役割があり、どのようなものを目指すかというところで異なってくることが多いからです。

勉強会に参加してくださったのは、患者本人のほか看護師さんなど医療関係の方もいらっしゃいました。患者自身が感情を開放して表に出すことが、心理的に安定をもたらし自分自身と向き合っていく、それはQOL(Quality of Life)の向上にもつながっていきます。VOL-Netではこれからも「聴き合いの会」をはじめとしたイベントを行っていきますが、通っている病院で、あるいは地域で、身近なところに「お互いの声を聴き合う」場がもっと増えて、多くの患者さんにとって利用しやすい場所となってくれることを望みます。