As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

フジテレビに電話してしまった!

フジテレビ系列で毎朝10時からやっているこたえてちょーだいというバラエティ番組があります。
「嫁姑の争い」とか「私の不倫体験、二重生活」とか「エロオヤジ特集」とか・・・まあいかにもってテーマで視聴者から体験を募集して再現ドラマをやっているあの番組です。再現ドラマが終わると『郁恵・井森のデリ×デリキッチン!』をやっているのです。
実は私、会社に勤めていた時も体調を崩して休んでいた時に密かにこの時間が楽しみで、たまに見ると笑ってしまう番組でした。まあ、「こたえてちょーだい」ですから特に何かを求めてもいないし、「はは、ヘンなの~」って感じで流してみてました。みんなでお義母さんの話をしていた時に「それ、絶対こたえてちょーだいに送ったら採用されるよ!」という失礼な話で盛り上がったこともあります。

が、今日はちょっと流せない場面を目撃してしまいました。
「私の美容整形体験」というテーマだったのですが、豊胸手術を受けた女性が出てきたのです。
乳腺下に「コヒーシブシリコン」のバッグを挿入するという私が乳房再建で用いる方法と同じで、その女性が手術を受けた病院はしっかり説明もあったらしく、手術は成功してこれまでにないナイズバディを手に入れたそうです。で、アナウンサーがその女性のもとを訪れてインタビューするんです。

「それで、この手術を受けられた後不安などはありませんか?」という質問に顔にモザイクがかかったままの女性は、

乳がんのことは心配ですけど・・・でもこの年でかかってしまったら進行が早くてあっという間に死んでしまうでしょう?だから何もしないで一緒に逝っちゃってもいいかなと思って」

正確にはこう言ってないかもしれませんが、この女性こういう意味の言葉を言ってたのを私は確かに聞いていたのです!
聞いた瞬間頭の中が沸騰しました。
こんな軽軽しい発言をテレビの前で堂々としていたこの女性にももちろん腹が立ちました。
コヒーシブシリコンをなんだと思っているんだといいたいです。乳房を失った女性が取り戻すために限られた医療施設で手術を受けるための素材なのです。それに、乳がんになったら何もしないでさっさと死んでもいいだと~!!そんな軽軽しい発想で豊胸手術を受けるなと心の底から叫びたいです。

が、それ以上にこの発言をそのままオンエアしたフジテレビにも腹が立ちました。
どうして編集段階でカットされなかったのだろう?こんな失礼な発言をスルーしたまま放送してしまったのだろう。それを聞いているスタジオのメンバーも平気な顔して笑って聞いているのだろう。
ええ、川合俊一さんや中村仁美アナに言っているのよ!

こたえてちょーだい」だからといってこのままほうっておいてもいいのかしら?
私はしばし「おちつけ」と自分に唱えた後フジテレビのHPを開きました。
それから、テレビ画面に出ている電話番号をプッシュしてしまいました。
すると、「こたえてちょーだい」のオペレーターにつながったのです!
私はゆっくりゆっくりとオペレーターに話しました。

「えっと、今日番組を見ていて思ったのですけど、
さきほど、こちらでコヒーシブシリコンを入れて豊胸手術を受けた女性の話が紹介されていましたが、女性アナウンサーの『不安などないですか』というインタビューに対し、『乳がんなど不安がありますが、この年でかかったらあっという間に死んじゃうと思うので、そのときは何もせず一緒に逝きます』というような発現を豊胸手術を受けた女性がしていました。
本音かもしれませんが、乳がん体験者(再建手術も経験)としては、激しい怒りを覚えます。乳がんにこの年でなってもすぐに死んだりはしません。死ぬわけないのです。
術後何十年も元気な人がたくさんいます。私もその一人です。術後子どもも産んでいます。若い女性が乳がんになったら確かに年配の人より進行は早いかもしれません。でも、多くの女性が適切な治療を受け、健康を取り戻しているのです。生きる希望を持っているのです。乳房再建により胸を取り戻している人も大勢いるのです。
テレビの影響は大きいです。この年で乳がんになったらすぐに死ぬからいいんです、なんて軽軽しい発現をテレビで流さないでください。
こたえてちょーだいはバラエティ番組ではありますが、誤解を招く表現はしないでくださいね。一体験者として切に望みます。ご配慮お願いします。」

オペレーターは「分かりました」と言ってただけでしたけどね。
同様の内容はフジテレビのHPからも送信しました。

はっきり言って、この私の意見がテレビ局の製作現場に伝わるとも思えないけど、でも何かしなくてはと思わずにはいられなかったです。まあ発言じたいは一瞬のうちに終わることだったけど。

「家事や子育てをこなしながらも、決して家庭にこもるわけではなく、常に外へ向けてアンテナを張り巡らせている今時の主婦たち。そのニーズに応えるべく、単に主婦の悩みや疑問を聞くだけでなく、そのもう一歩先へ…。それがこの番組です。」

番組のHPにはこう書かれているのです。この番組を見ている主婦こそが、乳がんとは無関係ではいられない世代なんです。その主婦にむけて、あの発言はないでしょう!

日テレのドラマ「87%」も多くの乳がん体験者の声がテレビ局に届き、ドラマのタイトルが変更されました。テレビ局は単に視聴率を追い求めるのではなく、たとえそれが報道番組でなくても、その立場にいる人の気持ちを無にするような番組の作り方はしないでほしいなと思います。