As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

「おでんみそ」と「麦味噌」についての考察

先日(10/3)の記事に「愛媛のおでんみそ」の話を書きましたが、昨日の夕飯におでんを作り、「おでんみその味」を体験してみました。

おでんの内容は通常我が家で作っているもので、練り物は生協のおでんセット、そのほか大根、卵、こんにゃく、野菜の巾着袋、つみれ(いわしたたき身を使って手作り)を鍋に投入、だしはおでんセットについていたものをやや薄めに希釈しました。そういえば、夫が好きな「ちくわぶ」は私が個人的にあまり好きではないせいか入れ忘れてしまいました。ちくわぶ」は関東独自のおでん種なんですよね。
おでんのほかには小豆ご飯(先日の料理教室で習ったもの)とたたききゅうりのゆず胡椒会えを用意。おでんを各自取り分けた後、小皿におでんみそ(辛口)を用意しました。

まず味噌だけなめてみたのですが、愛媛のまろやかな麦味噌の中に辛子のピリッとした感じが残ります。とはいえフツウの練り辛子よりずっとマイルド。これをおでんの具につけて食べると、なかなかいけます。
八丁味噌やゆず味噌で食べる田楽やふろふき大根ともまた違う味なんですが、少し辛子が利いているのがまたいいです。
私はもともと辛子はあまり好きではないので、おでんに辛子、といっても出汁にほんの少し溶かす程度でしか使っていませんでした。「なくてもOK」だったくらいです。
でも、この辛すぎない程度の味噌をつけて食べるとなかなか味にパンチが効いてくるのです。私的には練り辛子よりこっちのほうが合いますね。
夫も一口食べて「これだ、この味はなつかしいね」と言っていました。

愛媛で一般的に店頭に並ぶ味噌は「麦味噌」です。米味噌、豆味噌などにくらべると甘い味噌になります。だからといって京都の白味噌とも全く違います。義母は愛媛に引っ越して来た頃、甘い味噌しか売ってなくて困ったそうです。三重出身の義母にとって味噌はイコール赤だしですから。お味噌汁に入れる量にしても、中辛口の信州味噌に比べると大目の量を入れています。
が、結婚以来私達は麦味噌が意外とツボにはまってしまい、義母に頼んで味噌を送ってもらっています。たまに辛い味噌が食べたくなるときに買いますが、普段の味噌汁は麦味噌を使うことが多いです。料理にも良く合うんですよ。

でも私は結婚するまで麦味噌はほとんど食べたことがなかったのです。実家は千葉ですから、関東では一般的に使われている信州味噌が多かったのではないかと思います。味噌汁も少々辛めでしたし。

そうなんです。6年前のあの入院の時を境に、私の味噌汁に対する嗜好が完全に変わってしまったのです。
病院では毎朝のように朝食に味噌汁が出てきました。当然麦味噌を使っています。

それが、なぜか「パンと味噌汁」という組み合わせだったのです。

パン、具沢山の味噌汁、牛乳(愛媛でメジャーな「らくれん」牛乳)、そしてフルーツというのが朝食のパターンでした。パンと味噌汁という組み合わせに私は度肝を抜かれてしまい、看護師さんに「ご飯はないんですか?」と聞いてしまったくらいなのです。(食事制限のかかっていない患者さんには朝食はパンを出しています、と言われました)どうやら愛媛では朝の味噌汁はかかせない食文化なのだともチラリと聞きましたが、四国がんセンターではそんな組み合わせの朝食は出なかったそうです。
まあそんなわけで私は退院するまで毎日パンと味噌汁の朝食を食べていたのですが、手術後あまり食欲がなかったということもあり、パンはおおかた残してしまい味噌汁と牛乳、というお腹たぽたぽな朝ごはんになっていました。2週間の入院で麦味噌の味が脳裏にすりこまれてしまったのです。

私の乳がんの手術に関する記憶には、「おふとりさま」の姿もさることながら、パンと味噌汁の組み合わせが根底にあります。

今でもあの病院に入院している患者さんは、パンと味噌汁の朝食を食べているのでしょうか?産婦人科に入院している妊産婦の患者さんや小児科に入院している子供たちには不評だったのではないかと思うのですが、昨今の医師不足のあおりをくって産婦人科は停止に追い込まれてしまい、未だに再開の見通しはたっていないそうです。
乳がんの執刀医「おふとりさま」は呼吸器外科を1つの診療科として立ち上げたらしいので(病院のHPによる)、我が家では「センセイはソロ活動を開始したね」と言っています。

本日のトピックストア
日曜日なのでお休みです。