As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

市民公開講座 がん患者の心の支援

カゼのほうはまだ少々喉がいがいがするのですが、昨日に比べるとだいぶ楽になりましたので、今日は午前中娘を保育所にお願いして、かねてから申し込んでいた「日本癌治療学会 市民公開講座 がん患者の心の支援」を聴きに行ってきました。

がん治療における「最新の治療方法」の話題はいろいろありますが「患者さんの心」についてこれまでとりあげられたシンポジウムはなく、この学会の市民公開講座でも初めての試みということで、現在進行形でカウンセリングの勉強をしている私には大変興味のあったテーマでした。

普通に生活している人にとって、がんとは「自分とは関係ない」と思っている人が多いこと、「なぜがん検診に行かないの?」と聞かれると「癌だといわれたらいやだから」という人が多いそうです。そして、がんと告げられた時に「この世の終わり、私はもうダメだ」と思ってしまうことが多い-
サイコオンコロジー「精神腫瘍学」という言葉があります。これまでのがん治療においては、早期発見、適切な治療により治癒を目指すこと、もし治らないということがわかったときも、治療法がないから緩和医療、ではなく病気による苦痛を取り除くための緩和医療を取り入れ、QOLを大切に生きることが求められてきました。しかし、がんと診断された人が心に受ける大きな衝撃とそのケアについてはまだまだ不十分といわれています。

今回の講座では、医療者側から、患者の立場から、またアメリカとヨーロッパでのがん患者さんへの心の支援として行われていることとして海外からの演者2人を含む講演が行われました。

ここの演題について述べていると膨大な文章になってしまうので詳しくはかけませんが、全体を通してみた感想は「まだまだ不十分ということはわかるけどどうすればいいの?!」という振り出しに戻ってしまった感もあるものでした。

がんと診断されたとき、そして再発を告げられた時、人は孤独感、疎外感、不安感、絶望感などの数々の感情に打ちのめされます。アメリカ対がん協会会長夫人であったキャロル・セフリン氏でさえ、早期乳がんを告げられた時はどうしようもない怖さや孤独感を感じたそうです。誰かに抱きしめてもらいたいと思ったのです。

それらの状況から脱するためには、
がんになったら正面から向き合い、受け入れ、情報により自分の状態や治療の見通しを見極め、結局は自分の心で決めて覚悟するしかない、そのための心の支援。
ということ。インターネットにより情報があふれている現在、混乱の状態に大量の情報に囲まれ、正確な意思決定ができなくなってしまう・・・患者が「よき当事者」であり「医療者とよいパートナーシップを作る」ためにも「患者の心の支援が必要」ということでした。

でも、現在の医療者(特に医師)は多忙を極めている現状なのでこれ以上の「心のケア」のエキスパートたれとは求められないし、何をするにもお金が必要なのだということ。日本国民は国や政府に求めるばかりで、ないものねだりをしている、アメリカの医療制度が充実しているというけど、それは国民が多額の医療費を負担しているからできることであり、また国民から多額の寄付が年間に集められるからできることだ・・・日本は保険料も税率も低い国であるから、お金がないことには何もできない。まずは国民が「総潜在がん患者」であることを自覚し、自分にできること(=寄付)から始めること、いずれ自分ががん治療を受けねばならなくなったときに返ってくるであろう、というのです。

がん患者自らが努力し、自立しなくてはならない、そのための心の支援が必要なのだ。アメリカ対がん協会では、患者をサポートするだけではなく患者が自分で動き出す、お互いを、そして他の人を助けるほうへと動き出すための支援をしているそうです。

患者自らが自立するためには心の支援(カウンセリングは有用な手段)が必要、でもそれにはお金がないし、国民がただ政府に要請しているだけではダメだってことなのね、となんだかため息がでてきました。このままでは「真っ向からがんに立ち向かえる強い心の持ち主」しか救われないではないの・・・?

でも、だからこそ「ただ話を聴き、寄り添う。お互いに聴きあう」という姿勢やVOLでやっていることが大きな意味を持ちうるものだとも思いました。パネルディスカッションの時は「アクティブリスニング=傾聴 ボランティア」をしているという女性が発言していましたが、私が今学んでいることは、聴けるようになるためだからです。

なんだかまとまりがない文章で一気に書いてしまいましたが、今日講演されたエッセイスト岸本葉子さんが提言する「患者側ができる4つのこと」を書いておきます。

1.本を読みましょう
「乳がんが分かる本」のような簡単なものでよいから、これから先生の話を聞くための予習、復習として読んでみましょう。VOLではHPで図書案内も行っていますよ。

2.聴きたいことをメモして、大事なものから順位をつけていきましょう。
メモすることによって自分の気持ちも整理できます。症状については細かく、どんな症状がいつからどのくらいの期間出たか記録しましょう。医師はそれらの話を聞いて初めて判断するのです。

3.診察室に入る前には返事をして、ドアを開けて医師に挨拶しましょう。
簡単なことですが、できてない人が多いようです。自分から声を出すことで、医師に次に聞きたいこともすぐに言葉が出てきますよ。

4.患者同士話し合うグループがあれば参加してみましょう。
お互いの体験をシェアすることによって、医師とのコミュニケーションスキルをつけるのに役立ちます。先生との良いお付き合いのしかたについてヒントが転がっています。
VOLも私のHPも、軽い気持ちで扉をたたいていただければ幸いです。

なお、この公開講座の様子は12月ごろアストラゼネカのHPがんになっても希望とあたりまえの生活をで見ることができるそうです。

娘を迎えに保育所に行くと、「せんせい、バイバイ」と言って出てきました。
最近は自分が時々行くところが保育所であり、先生(保育士さん)がいるところと分かっているのでしょうか?どうやら園生活は自宅と違った刺激があり、お兄ちゃんたちに遊んでもらってエンジョイしているらしいので、私もその時間は自分の充電に当てることにします。

最後に、今日のトピックストア
9時10分にマンションを出たらもう店前に列が出来ていました。まだ店は開かず、中で準備をしている店員と並んでいるお年寄り達に話しかけている店員が居ます。最近の常連客は「スタンプノート」を持っているらしく、店に来るごとに押してもらっているようです。「やっぱり免疫よ!」なんてお互い話し合っているおばあちゃんもいました。
どうやら今日の目玉商品は「健康ドリンク」仲良く夫婦でいらしている人もちらほらみますが、毎日トピックストアまで通ってこられるってことは充分健康じゃないかと思うんですが・・・?!