殯の森

その前に、

久々に「小梅太夫」を見ました。
だけど彼は顔を黒くしていました。

ただ１人小梅のファンだった娘は、すっかり変わり果てた小梅を見て怖がっていました・・・

次に小梅を見ることができるのはいつになるんだろう・・・？

では、本題に。

殯(もがり)の森　監督;河瀬直美 主演;うだしげき 尾野真千子

公式ＨＰはこちら →http://www.mogarinomori.com/
言わずとしれた、2007年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品。
奈良の山あいに立つ旧家を改造したグループホーム。
33年前に妻の真子を亡くした認知症のしげきは今も妻との思い出の中に生きている。新任の介護福祉士として赴任してきた真千子も息子を亡くし、夫と別れたという背負い続けた過去を持っていた。

ある日２人は森の中にあるというしげきの妻の墓参りに出かける。ところが途中で真千子が運転する車が轍にはまって出られなくなってしまう。しげきはどんどん森の中に入ってしまい、２人は森からの数々の洗礼を受けることになるがー

前半はグループホームが舞台に、そして後半は森の中でのしげきと真千子の演技に魅せられる。しげきを演じるうだしげきはこれまでに演技経験は皆無だというが、そんなことを全く感じさせなかった。

映画の冒頭に流れる葬列のシーン。
奈良の山間部では今でもこんな風景を見ることがあるというが、今の日本人に取って「死」は現実社会からは隔絶された無機的なものになってしまったように感じる。

なんて書いてしまったけど、この映画は私には難解でした。
しげきと真千子の交流を通して、作者は何を言いたかったのか？
スクリーンを見つめながら、私は首を曲げたままでエンドロールが始まりました。

遺されるもの、逝ってしまうもののあいだにある結び目のようなあわいを描く物語

という監督の言葉は、映画を見終わった後に知りました。