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「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

新薬の研究開発は一筋縄ではいかない

今日はVOL-Netとして外資系の製薬会社関連団体主催の「患者団体支援プログラム」に参加してきました。
以前春に開催された時も出席したのですが、このセッションは平日の昼間にやるため、他のスタッフは勤務中なのでまたしても現在無職の私が出席することになりました。

今日のテーマは「医薬品の研究開発」

まず始めにDVDによるアメリカでの新薬探索から臨床試験、承認までのプロセスの紹介があり、ついで同時通訳講演によるアメリカでの医薬品臨床開発の話、日本での臨床開発の話と続きました。
ビュッフェによる昼食の後は意見交換会を行って一度解散となり、希望者はさらに歓談したようです。

セッションの具体的内容や感想はいずれVOLのメルマガに書きますが、新薬探索のDVDはまるで私に取っては「前職場の復習」みたいでした。

まずは薬剤標的となるターゲット分子を探索し、次に薬効が認められる化合物のスクリーニングをする(High Throughput Screening;HTSが主流になっている)、その化合物のオプティマイゼーションを行い、リード化合物を見いだす。
続いて前臨床試験に入り、薬効があるか、安全か確認する。細胞レベルの試験はin vitro試験、動物を用いての試験はin vivo試験。薬効があり、安全性、毒性がないことを確認したらヒトに投与する「臨床試験」に進む。臨床試験に入るにはFDA(アメリカ食品医薬品局)にIND(申請書類)を提出しないといけない。
FDAの許可が出たら臨床試験が開始される。臨床試験には第一相から第三相までがある。有効性および安全性が認められて初めて承認される。

アメリカの場合、こうして新薬が世に出る前にかかる研究開発期間10-15年、費用800-1000億円、探索した化合物5000-10000分子のうちだった1つしか新薬になれません!

ということで、なんだか懐かしい用語満載でした。

同期のみなさん、研究所でがんばるのだ~!!待っているよ!

私自身は、正直研究者としての限界を自分に感じたことや病気をしてからの仕事に対する思いや会社や上司との関わりなどを思うと行き詰まりを感じてしまい、出産を機に辞めてしまいましたが、今日のようなセッションに参加して、前職場で得たことも今につながっているなあとしみじみ思いました。

新薬の開発過程って専門用語ばかりなのですが、なかなか一般にこれらの知識を広げる機会ってないと思うので、これらのことを知っておくことは、患者団体がこれからどう活動するかということへの助けとなるでしょう。医薬品開発の現状と問題点を把握し、打開し、より患者に近い医療を求めるために患者団体は何ができるのか-ということを考えていかなくてはならないと思います。

ランチタイムにはこれまでのイベントなどでお会いした他団体の方とお会いした他、他の乳がん患者会の方で初めてお会いした方や、製薬会社の方などと名刺を交換したりして、あっという間に時間が過ぎました。そして、今日のランチも大変おいしかったです!お寿司のほかにミニステーキやサラダにパスタなどなど・・・そしてケーキの種類もたくさんあったのでまたも食べ過ぎてしまいました。だってせっかくのホテルメイドのランチ、いろいろいただきたいじゃないですか、というわけで反省。