As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

VOL-Net流「注文の多い料理店」

「美味しい料理が食べたい」


グルメな皆さんは「美味しい料理」をどうやって探しに行きますか?

ホテルのレストラン?ショッピングセンターの中にあるグルメストリート?それとも「一軒家の隠れ家レストラン」を探しますか?一昔前ならば「デパートの食堂」に行けば美味しい料理は何でも揃うと言われていました。
東京や大阪など、大都市ならいろんなものが食べられるけど、残念ながら地方に行くとそうはいかない。でも地方在住のキラリと光る名シェフというのもまた存在するわけです。

さあ、今日お招きするのは「VOL-Netがオススメする名シェフの方々」

どうやって美味しい料理を提供しているか、どうやったら美味しい料理をたくさんの人に食べてもらえるか、厨房の裏話をお聞かせいただけませんか?

そんな「晩餐会形式」で「VOL-Net5周年記念シンポジウム 本音で語る乳がん医療」があいにくの雨の中、国立オリンピック記念青少年総合センター 国際会議室にて行われました。
医療を料理になぞらえて、様々な視点から「爆裂本音トーク」も飛び出して、会場は時々笑いに包まれる中、現在の乳がん医療を取り巻く問題点や課題、今後の展望などについて熱いディスカッションが繰り広げられました。
名シェフことパネリストのドクターたちは、VOLの「メディカルサポーター」としてお世話になっている先生方です。

東京 癌研有明病院 婦人科 宇津木久仁子 先生
鹿児島 相良病院 乳腺外科   相良 吉昭 先生
東京 三宿病院 院長(乳腺外科) 清水 哲 先生
北海道 北斗病院 在宅医療科 山下 浩介 先生
大阪 市立岸和田市民病院 外科 吉村 吾郎 先生

乳腺外科はもちろんのこと、放射線科、婦人科、緩和ケア、勤務先の病院も元大学病院から地方の一般総合病院、がん専門病院と多岐にわたっています。VOLからも本業が医療ソーシャルワーカー、医療ライターのスタッフが壇上に上がり、ドクターと共に大いにディスカッションを盛り上げました。
メインディッシュとなる「討論」の合間には「グラニテ(お口直しのソルベ)」として「二胡のミニコンサート」も開かれました。「女子十二楽坊のCD」以外に二胡の音を聞いたことがなく、今回初めて「二胡の『生』の音」を聞いたのですが、繊細な中にも伸びのあるしっかりした音色で、討論で熱くなった思考回路をちょっと癒してくれました。

2002年にネット上で出会った患者たちによって「できることから始めよう」とVOL-Netが立ち上がってから5年の月日が流れました。
乳がん医療をめぐる事情は、この5年の間にも日々進化しています。
ちょうどVOL-Netの立ち上げのころにその話を聴いた私も参加することを決めて・・・術後1年半から2年というこの時期は、私が病気を得てから過ごしてきた日々の中で「もっとも苦しい」時でした。自分自身が何かにすがりたいと強く求めていた時期だったのです。
5年間の月日の間には、VOLにとっても自分にとってもそれこそいろいろなこと、大きな転換点もありましたが、VOL-Netは「声を聴き合うこと」を大切に「ひとりひとりができることからやっていこう」をモットーに活動を続けてきました。
自分たちが主催する勉強会や聴き合いの会もそうですが、月日を重ねるうちに「他団体と関わる活動」や「提言すること」といった社会的な役割も増えてきました。これらの活動もまた、患者の声を届けることや、声を上げたり他団体と協力することで「患者に返ってくるもの」へと結び付けたいという願いをこめています。そして、自分たちがやってきたことに1つの信念があって、また信頼していただけたからこそ、シンポジウムには多くのドクターに参加していただけたものと感謝しています。
これからもVOL-Netはまだまだ求められる存在となるでしょう。「聴き合うこと」「できることから」を合言葉に、「あの時こうだったらよかったな」と思うことが、今治療に向かっている人には現実のこととなるように、地道な活動を大切にしたいと思います。

さて、私の料理はというと、

今通っているクリニックは、個人開業医でもありますが「名オーナーシェフがいる銀座の隠れ家レストラン」というところでしょうか?
一方、手術を受けた病院は、さしずめ「食堂街のB級グルメ」とでもいいましょうか?(笑)
たしかに、その病院には乳腺のスペシャリストという点では「名シェフ」はいなかった。マンモグラフィーすらない状態は、いまどきのシステムキッチンとは離れた「昔の台所」と言えるでしょう。そんな私が「隠れ家レストラン」を発見して常連客にしていただき、その洗練された美味しさに触れるにつれて、あのB級グルメのことも懐かしく思い出さずにはいられない、といったところなのです。
昨日のシンポジウム、フルコースのお料理も、はたまた自分が7年かけて味わってきたお料理も、

たいへんおいしゅうございました

(笑、料理記者暦40年の岸朝子風に♪)