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レッドクリフPartⅡ~未来への最終決戦~ その2

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個人的には、副タイトルはいらないと思うんだけどなぁ。
「未来への最終決戦」ってエイベックスの未来へってこと?!

レッドクリフPartⅡ~未来への最終決戦~ 監督:ジョン・ウー 主演:トニー・レオン金城武


西暦208年、魏呉蜀が争う中国・三国時代孔明金城武)の奇策で曹操軍を撤退させた孫権劉備連合軍だったが、食料不足と疫病のために戦意も尽きようとしていた。そこに曹操軍の2000隻の戦艦と80万の兵士が逆襲。司令官の周瑜トニー・レオン)と孔明が作戦を仕掛けようとする中、周瑜の妻・小喬(リン・チーリン)がある行動に出る。
アジア映画としては歴代最高の大ヒットを記録した、『レッドクリフ Part I』の続編となる歴史スペクタクル。『レッドクリフ Part I』から連なる赤壁の戦いもクライマックスに突入し、孫権軍と劉備軍との連合軍が曹操の大軍に立ち向かう様をダイナミックに描く。監督やキャストは『レッドクリフ Part I』と同じく、ジョン・ウートニー・レオン金城武などのアジアの大スターたち。85万人にのぼる両軍兵士たちのアクションはもちろんのこと、偉大な英雄たちが繰り広げる感動的なドラマを楽しみたい。

ファンならみんなが知ってる「お約束」からことごとく外れているとの情報を得ていただけに一抹の不安とともに鑑賞が始まったのですが、

確かにムチャクチャだけど、これはこれで完結してる。エンターテイメントとして仕上がってる!!

という満足感がありました♪

PartⅠでは「単なる暴君、エロ親父」みたいな描かれ方をされていた敵役の曹操も、PartⅡでは「ここまでやるか?!」というシーンもありながらも、自らの信念を語ったり、酒を持って歌ったりと、まるで本能寺の変の前夜の織田信長的な雰囲気があってさすが、貫禄がありました。

今回唯一「お約束」の通りの展開となったのが「孔明の10万本の矢作戦」

金城武が優雅に扇を振りかざすととってもサマになるのです。ひょうひょうと、何かいたずらをしそうな目で、あっぱれ敵から10万本の矢を戦わずしてごっそりもらってきてしまうその策略ぶりにはほれぼれしちゃいます♪
そして、決戦に必要な東南の風を呼ぶ。これは語弊がありますね。呪文や術をとなえて風を吹かせたのではなく、風の変わり目を読み取ったのですから。その時の金城さんの表情も、これまたいとをかし♪

女性陣はそんな余計なことしなくてもいいわよと思いましたが、彼女たちの活躍があったからこの映画もエンタテイメントとして華やかになったのでしょうね。尚香のサイドストーリーはかなり切なかった。そして戻ってきた時に身体に巻いてあった布に敵の布陣が書いてあって、その布がはらはらと解かれていく時の男性陣の困惑した表情と、そっと彼女に服をかけてあげた兄の表情。白い鳩も大活躍。クルックー、クルックー♪
そして小喬さん、その行動はどうかと思ったけど、意図したことがあったのか!リン・チーリンさんには絶世の美女役が似合っています。お茶のお作法、緊迫の中にとても優雅でした。

そして、そして。いよいよ決戦の時を迎える-

クライマックスの火攻めは、どっかん!どっかん!どっかん!!空前のスケール!!!


この大迫力は、劇場でしか味わえません。夜空を焦がし、水面に写る紅蓮の炎。夜があけて、曹操の本陣へと攻め入る連合軍は、オールスター戦そのものでした。「ありえねー」とチラッと思いつつも、映画でしか見られない楽しみでもありました。孫権、アンタはウィリアム・テルか?!てゆーか、フツウ国主がここまで自ら攻めてこないよねぇ。

中村獅童さん演じる甘興が出てきた時には「ガンバレ日本代表!」と心の中でエールを送りました。


火攻めが過酷になればなるほど、失われる命が増えるー
日本の戦国時代とまた違った合戦の書き方は、衝撃も大きいです。映画と分かっていても目を背けたくなる、辛さがこみ上げる部分もあります。だから、この作品は「勝ったバンザイ」ではなく、多くの人の命を奪うこともまた戦であり「勝者などいない」という決め台詞を言わせているのでしょう。

さて、ここまで感想を書いたなら。

ワタクシ、PartⅠを見たときに「トニーはこれだけでは終わらない」と書きました。
PartⅠは金城武の映画だったけど、PartⅡはトニーのための映画だったと思います!

もう、ひたすらトニーにやられてしまった144分でした。


いきなり剣舞を舞ってしまうところの優雅さにやられてしまい、
時折口角をくっと上げて笑顔を見せるところがまたいいの♪
スパイ大作戦では、冷静に策をめぐらせる軍師ぶりを発揮して。
小喬が置手紙を残していなくなってしまい、お腹の子どもの名前を書いた紙を発見してしまった時の苦悶に満ちた目に切なくなり。
そんなトニーが、冬至のお団子を一気食いするところにも「喉詰まらせないでー」ってハラハラしちゃって。
いよいよ攻め込むときに、小喬救出を第一に周囲が考えている中、当初の作戦を変更しないことを決断して。出陣の前に1人琴をかきならして♪
曹操の本陣にたどりついた時には、兜が落ちてしまい、赤いハチマキ1枚で戦いに挑みます。

小喬は敵の人質に。このままでは突き落とされてしまう。だけど前後から刃を突きつけられて身動きができない大都督周瑜。だれか小喬を助けて。そこに超人的な技で彼女を救いに出たのがあの白馬に乗った王子様、趙雲。だけどタッチの差で小喬は手すりの外に落ちてしまう。趙雲の手が伸びたけど届かない、絶体絶命?!ああ、トニーが走ってきた。彼女の手をしっかりつかみ、ナイスキャッチ!やったぁ!!
(ゼーハーゼーハー・・・こっちもドキドキものだよ)
小喬を救出した時の周瑜のセリフは日本語字幕では「無事か?」なのですが、中国語の分かる人によると、「無事か?」をあらわすのに「複数形」を用いているのだそうです。つまり、彼女とお腹の子どものことを言っているというわけ。それを見て、またまたトニーの優しさに惚れ直したわ。

うら若き?!ハタチの女子大生の時に無骨な三国志の物語にであって、その時から孔明ではなく貴公子的な武将の周瑜に肩入れしていたのだけど、10数年ぶりにお話の世界に入り、今回のトニー・レオンの主演はほんっとうに素敵でした。
あのころの私は、平和に生きてたなって思い出したりしてね。

実に楽しい144分でした。監督のジョン・ウーさんありがとう。


なんて思いながら劇場を出たら「ボロボロにいってやろうと思ってたけど、レッドクリフ面白かったな」と言っていた夫に「おい、デブ助」と呼び止められたのでありました。おしまい。
(デブ助のイミは、映画を見れば分かります)