As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

川本喜八郎人形美術館

イメージ 1

そもそも・・・なぜこの夏に1000円高速道路で長野に行ったのかといえば、もともとは「ここの美術館に行きたい」と私が主張したのがきっかけなのです。あの映画「レッドクリフ」を見たら、もう一度人形たちを見たいというのが再燃しちゃったんですね(笑)

人形アニメーション作家の川本喜八郎さんは、飯田のご出身ではないのですが、この町が江戸時代から人形浄瑠璃がさかんだったり、今でも「いいだ人形劇フェスタ」が開かれるなど「人形の町」であったことから、人形を寄贈されて2007年に美術館がオープンしました。

さて、エントランスに入るといきなり孔明先生がお出迎えです!
娘には「かねしろたけしの人形だよ」と言い聞かせました(笑)
この孔明先生、美術館の開館1周年を記念して新たに作られたもので、身長も1メートルほどあります。
そして、館内の人形は撮影禁止なので、唯一のフォトスポットとなっています。

展示ルームのメインは、やはり映画を意識してか「NHK人形劇三国志」(1982~84年放送)です。
私はリアルタイムでは見ていません。妹が再放送を見ていたときにチラ見したのと、あとはビデオです。
展示室の入り口でお出迎えしていたのが、番組の進行役だった島田紳介さんと松本竜助さんを人形にした「紳々・竜々」。これを見た瞬間、「涙がチョチョ切れそうに」なりました!

あとは、物語を彩った英雄や美女たちの人形が総勢60人ほどいらっしゃいました。
絢爛豪華な衣装をまとった人形たちは、50センチほどの高さで思ったよりも小さいイメージでした(実は私は10年以上前に「川本喜八郎人形展」が東京であった時に見ているのですが、もうちょっと大きいかと思っていたんですよね)でも、最初のオンエアから25年も経っているのに、人形たちはちっとも色あせていませんでした。
撮影に使われた孔明先生は、エントランスにいたのより当然小ぶりなのですが、羽扇も優雅で映画の金城武を思い出しちゃうし(笑・人形劇バージョンで声を出していたのは森本レオさんけどね)、曹操は赤い衣装がライトを浴びすぎたせいで少しあせてしまっているんだけど威厳たっぷりだし、トニー・レオンとはまた違った周瑜は、やっぱり一番のイケメンだというだけあってキレイなお顔をしているし、飽きてしまった娘が夫と一緒に展示室を出てしまった後も、私は何度も「金城武トニーレオン」とつぶやきながら展示室を行ったり来たりしていました(←我ながらアホだと思う・・・)

でも、時折美術館のスタッフが近くに来て解説をしてくださり(この人形は目から光が出るとか、この人形だけ顔が皮ばりではなく布ばりだとか)、またちょうど「いいだ人形劇フェスタ」期間中に訪れたために、この期間にしか展示されないという「100年前に台湾で使われた人形」が展示されていたりと、面白い発見がありました。

そして、展示室のもう1つの柱が「人形アニメーション
人形劇と人形アニメーションは違うものです。人形劇は、人形遣いの方が操演(人形を動かす)してそれを撮影するわけですが、人形アニメーションは、人形をちょこっとずつ動かしながら1カットずつ撮影して、つなげてアニメーションにするわけです。1秒を撮るのに24カット必要になるというのだから、それはもう大変です!
今回は人形アニメーションのうち「死者の書」という作品に使われた人形やセットが展示されていました。人形はさらに小さく、身長20センチくらい。奈良時代の日本が舞台の作品ですが、姫君は川本さんらしいきめ細やかな表情をしていました。

展示室を出るとロビーがあり、人形の作り方とか衣装の展示などがあり、さらに「映像ギャラリー」がありました。ここで川本さんの人形アニメーションを実際に見ることができたのですが、今回流された作品は1976年に作られた「道成寺」です。安珍清姫の悲恋で有名な話ですが、この作品では清姫が若い寡婦という設定になっており、男への執念がより一層強く描かれていました。19分間、セリフ無しの作品ですが、とにかく鬼気迫る表情にビックリ。
「要するに・・・ストーカー殺人ということだね」と見終わった後で思わず夫と言ってしまいました。

唯一残念だったのが、展示室がそれほど広くないために、今回は「平家物語」(1993年~95年)の人形が展示されていなかったことです(定期的に人形の入れ替えを行っているそうです)。
でも、ホントに飯田まで行って良かった♪あの人形が好きだった方なら一見の価値ありです。

そして、美術館を出たらすぐそばに「巨大なガンダム鉄腕アトムウルトラマン」がショーケースに並んだお店があり「やっぱりここは人形の町なんだ」と思ったのでした。

飯田市川本喜八郎人形美術館→[http://www.city.iida.lg.jp/kawamoto/]