ディア・ドクター

続いてはこちら。あの話題作「ゆれる」を撮った西川美和監督の最新作です（実は「ゆれる」を見てはいないのですが、ぜひ見るようにと何度も勧められています）。
この作品、７月ごろ「見たいなあ」と思いながら見逃してしまっていたので、家の近所の小さな映画館でレイトショーをやっていたチャンスを逃しませんでした。案外たくさんの人が入っていましたよ。

ディア・ドクター　監督：西川美和　主演：笑福亭鶴瓶、瑛太、八千草薫

村でただ一人の医師、伊野（笑福亭鶴瓶）が失踪（しっそう）する。村人たちに全幅の信頼を寄せられていた伊野だったが、彼の背景を知るものは誰一人としていなかった。事件前、伊野は一人暮らしの未亡人、かづ子（八千草薫）を診療していた。かづ子は次第に伊野に心を開き始めていたが、そんな折に例の失踪（しっそう）事件が起き……。
『蛇イチゴ』『ゆれる』の西川美和監督が、へき地医療や高齢化など現代の世相に鋭く切り込む人間ドラマ。本作で映画初主演を務める笑福亭鶴瓶が無医村に赴任した医師を演じ、その医師の失踪（しっそう）をきっかけに浮かび上がる彼の人物像を軸にした心理劇が展開される。『アヒルと鴨のコインロッカー』の瑛太のほか、八千草薫、余貴美子など、若手やベテランともに実力のあるキャストが集結。人間の複雑な内面をえぐり出すことに定評のある西川監督のオリジナル脚本に期待したい。

鶴瓶さんが医師役に？！しかも山間の村で僻地医療だといいます。
これは、ちょっとほのぼのした医療ドラマだと早合点して見始めたらとんでもありませんでした。
八千草さん演じるかづ子の「罪のない嘘」がテーマの１つになるのですが、いえいえもっと大きな秘密が物語には隠されています。淡々としていつつもシリアスだけどほろりとくる。嘘は罪だけを作るのではないけれど・・・鶴瓶さんのセリフはそんなに多くはないけど、たくさんの表情が葛藤を描き出していました。もう上映しているところは少ないですが、秋の夜長にＤＶＤシアターでじっくり鑑賞することをおすすめします。
そして、ラストをみて「やっぱり鶴瓶さんだからできる演技だよ」と思ったのでした。