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南極料理人

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ふう。今日は暑かったですね・・・
こんな日に思い出したのが、この夏いちばんのマイヒットだったこの映画です。
主演が堺雅人さんだというので、もうこれは見るしかありません。

南極料理人 監督:沖田修一 主演:堺雅人生瀬勝久、きたろう 他


西村(堺雅人)は南極の昭和基地からも遠く離れた陸の孤島、南極ドームふじ基地に料理人として派遣される。妻(西田尚美)と娘を置いての単身赴任生活で、彼は8人の男性南極越冬隊員たちの胃袋を満たすという大役を任される。基地では雪氷学者(生瀬勝久)をはじめ、雪氷サポート隊員(高良健吾)らが彼の料理を心待ちにしており……。
南極観測隊に料理人として参加した、西村淳原作のエッセー「面白南極料理人」を映画化した癒し系人間ドラマ。南極の基地内で単身赴任生活を送る8人の男性たちの喜怒哀楽を、数々のおいしそうな料理とともに見せる。料理人を演じるのは、ここのところ『ジェネラル・ルージュの凱旋』など話題作への出演が相次ぐ堺雅人。共演の生瀬勝久高良健吾ら新旧の実力派俳優たちとともに、絶妙のアンサンブルで展開するユーモラスな物語に魅了される。

私はこの映画の原作となった、実際に2度南極観測隊の調理担当として越冬を経験された、海上保安庁の西村淳さんによるエッセイ「面白南極料理人を読んでいました。西村さんは最初の越冬はかの有名な昭和基地で、そして2度目が昭和基地から内陸へ100キロ、標高3800m以上、平均気温はマイナス55℃、見渡す限り360度風景は雪原のみであり、ペンギン、あざらしがいるわけもなくそこにはウィルスすら生息できない、という私の想像力などかるーく超えている世界ドームふじ基地で過ごされています。

そこでは9人の隊員(観測業務を行う科学者隊員と、基地の設営や医療、車両、通信などのサポートを行う隊員に大別される)のみが生活していて、西村さんは、彼らの日々の食事を提供し続けていたのです。
戸外の環境は想像もつきませんが、暖房や発電設備の整った基地の居住空間では、日本とあまり変わらない、和洋中の食事を作ることができます。とはいえ、食料を買い足すことは不可能!だし、基本の食材は冷凍もしくは乾物なのです。例えば卵とか、これが?ってなものが冷凍食品になっていたりするし、こんにゃくは持っていけなかったし、高地にあるのでお湯は85度で沸騰します。
そんなわけで、外が蒸し暑くてもワタクシのアタマの中はプチ南極ブームが吹き荒れていたのです。

そしてこのエッセイが映画になったと聞き、しかし?これをどうやって映画にしたんだろう?とも思ったわけです。

スクリーンの中では、エッセイのほわんとした世界がそのまま映画になっていました。
ドーム基地の1年、大事件らしい事件は起こらなかったものの、基地という閉ざされた非常に小さな世界では、ときに些細な行き違いが一触即発の空気を作り出したりします。
また、遠い彼方の日本にいる家族や恋人を思う気持ちが、ことさら切なく感じられたりします。
そんな一見淡々としつつも、各自にとってはドラマチックな日々を彩ってくれたのが、日々の食事。
堺さんが食卓で、隊員みんなが食べる様子を眺めている笑顔は、最高の調味料です。
美味しい食事を食べて、元気になろう。そのことが画面からあふれるように伝わってきます。

そうなんです。出てくる食事がとにかくうまそう!なんです。うまそうという言葉がピッタリ。


伊勢海老のエビフライはおもしろかったけど、あの手打ちラーメン、匂いまでただよってきそうですよ。
でも一番美味しそうに見えたのは、堺さんがにぎってたあのおにぎりでしょうか?

映画に出てきた隊員のみなさんも、エッセイのキャラとかぶっていて面白かったです。
あ、堺さんの西村とエッセイに載ってる本当の西村さんは全然違いますが、通信担当の盆さんなんかまるっきりそのまんまでした。私としては、基地一番の風呂嫌い、バイキンマンとあだ名の付いた「りんさん」に出てきて欲しかったのですが、彼だけ登場しなかったのでちょっと残念だったです。

ゆるーく、ふふっと笑って充電したい方にはお勧めの作品です。
でも、映画に出てくる料理があまりにもおいしそうなので、ダイエット中の方には厳しいかと思います。

映画が終わってから「ロッテクールミントガム」を買ったら定番のフレーズ「南極のさわやかさ」と書かれていました。南極は、爽やかな場所じゃないと思うんだけどなぁ。