As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

私の中のあなた

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病気をテーマにした映画やドラマ・・・自分の体験と重なってしまい見ることができないという話は多く聞きます。私自身、今でも「乳がん」をテーマにしたものについては自分の体験との分離ができていないことや、フィクション部分を割り切れないところがあって直視することはないのですが、他の部位のがんに関しては、虚構と実際の違いを認識しているせいか、比較的抵抗なく割り切って見ることができました。なのでこの作品も、自ら見たいと思って鑑賞したものです。

私の中のあなた 監督:ニック・カサヴェテス、主演:キャメロン・ディアス


白血病の姉・ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)に臓器を提供するドナーとして、遺伝子操作によって生まれた11歳のアナ(アビゲイル・ブレスリン)。彼女はこれまで何度も姉の治療のために犠牲を強いられてきたが、母サラ(キャメロン・ディアス)は愛する家族のためなら当然と信じてきた。そんなある日、アナは姉への腎臓提供を拒否し、両親を相手に訴訟を起こす。
アメリカの人気作家ジョディ・ピコーのベストセラー小説を、『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス監督が映画化。白血病の姉のドナーとなるべく遺伝子操作によって生まれた妹が、姉への臓器提供を拒んで両親を提訴する姿を通し、家族のありかたや命の尊厳を問いかける。主演のキャメロン・ディアスが初の母親役に挑み、両親を訴える次女役を『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリンが熱演。シリアスなテーマながら、主人公一家の強い家族愛が胸を打つ。

感想を・・・レビューを書こうと思うのだけど。
自分の言葉ではしっくりと言い表せない。どれもぴたりと当てはまらないのです。
どうして妹は両親を相手に訴訟を起こしたの?その深い理由が物語の終盤で明らかにされるのですが、そのあたりからもう館内はすすり泣きの声でいっぱいで、そんな中一人冷静に画面を見ていたのです。
が、エンドロールが始まった時に泣いている自分に気づいた-

病気と向き合う少女、どんな手段をとっても娘を救いたい母、家族の1人となって、いずれ来る時を受け入れなくてはいけないと姉に語りかける叔母、そして弟妹・・・病気と向き合う家族のつながりと危うさと・・・誰も悪くはないのです。それぞれが、一生懸命に生きてきただけ。
単に命の大切さをテーマにした「闘病モノ」「お涙頂戴」系の話ではありません。

同じ病気で治療中のボーイフレンド・テイラーに「キスは抗がん剤の味がする」と笑顔で突っ込むケイトの表情。現実と向き合いながら、きらりとした輝きも見せてくれます。それが人生を楽しむということでしょうか?

私にとっては今年最も印象に残った作品の1つになりそうです。