食堂かたつむり
そうだ、これも先日ようやく見ることができたのでレビューです♪
倫子(柴咲コウ)がアルバイト先の料理店から戻ると同棲(どうせい)中のインド人の恋人の姿はどこにもなく、部屋は空っぽだった。彼女はあまりのショックで声が出なくなり、スナックを営む折り合いの悪い母親ルリコ(余貴美子)のもとに戻るしか選択肢は残されていなかった。倫子は自活するためにも、実家の物置を利用して小さな食堂を開くことにする。
小川糸原作の同名のベストセラー小説を『ウール100%』の富永まい監督が映画化した、じんわりと心にしみる人生賛歌。失恋の痛手から一時的に心因性失声症を患った主人公が実家に戻り、食堂を開いて人々を料理で癒やしていく様を描く。ヒロインは自身も大の料理好きだという柴咲コウ。その母親役を『ディア・ドクター』の余貴美子が演じている。アニメーションやCGを交えた、ファンタジックな世界に引き込まれる。
今回は、主役の倫子が「声が出ない」ので、その役を演じる柴咲コウさん、本当にラストまで「セリフなし」なのです。これはかなりハードルが高い役です。だからこそ柴咲コウさんで倫子役がぴたりときまったような気がします。
人々を癒す「不思議な力を持つ料理」が次々と作り出されるシーン、倫子とルリ子の母娘の距離などは「かもめ食堂」や「プール」でこんなシーン見たなぁという既視感がありました。
物語の後半になってルリ子の病気や結婚式と大きく動きがあるのですが、飼い豚のエルメスでの「料理で世界一周の旅」ですらも淡々と物語の中で流れていく・・・そして倫子が「フクロウ」の秘密を知ってしまい、母からの手紙を読む・・・ちょっとありえないシチュエーションに、ちょっとぶっ飛んだ登場人物、でもその中に流れるじんわりとした心の交流、こういう世界観の映画が好きな人にはきっとしっくりくる作品です。
作品の中に出てきたたくさんの料理・・・パンフレットには「ジュテームスープ」のレシピが出ていましたが、私だったら「お茶漬け」を食べたいです。