As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

トイレット

あら・・・10月になってしまいましたが、Yahooの画面は毎年恒例のピンクにはまだなっていないようですが・・・
映画の感想、久々にいきますね。忘れないうちに。
 
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トイレット 監督:荻上直子 主演:アレックス・ハウス、もたいまさこ
 
 プラモデルオタクのレイ(アレックス・ハウス)、引きこもりピアニストの兄モーリー(デヴィッド・レンドル)、エアギターで自己実現アイデンティティーを保っている大学生の妹リサ(タチアナ・マズラニー)の三兄弟は、人生は退屈の繰り返しに耐えることだと信じて疑わなかった。しかし、生前母親が日本から呼んだばーちゃん(もたいまさこ)との日々を過ごす中で、三兄弟の心に少しずつ変化が起こり始める。
 人生に退屈し、自分の世界に閉じこもって生きる三兄妹が、心を開いて家族のきずなを深めるまでを描く感動ドラマ。『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子監督が、海外で自分のオリジナル脚本の映画を撮るという念願の企画を実現。三兄妹と触れ合うばーちゃん役に荻上作品の常連もたいまさこ、謎の女性役に『西の魔女が死んだ』のサチ・パーカー。荻上作品ではおなじみのフードスタイリスト飯島奈美による美食の数々にも期待。
 
あのかもめ食堂荻上監督の3年ぶりの作品だというので、ワクワクしていました。
「トイレット」というそのものズバリなタイトルや、日本映画なのに前編海外ロケ、出演者も日本人はもたいまさこさんだけ(あれ?小林聡美さんは出ないの?!と一瞬思いましたが)、字幕がついてるというこれまでにはない邦画のスタイルにも惹かれました。
 
ストーリーは、確かに淡々と進むのですが、人間の中身とつながりをゆっくりと描いていて、ところどころ笑ってしまって、じんわりとあったかい空気に包まれていくような、そんな心地よさがありました。
見ていくと分かるのですが、タイトルは「トイレット」であって「トイレ」じゃないのです。もう、TOTOサマサマで(笑)コストコにあるようなアメリカ製のトイレとはちょっと違うのです。
 
それから、かもめ食堂同様に映画に出てくる「食べ物」がとてもおいしそうなのも(今回はダントツで餃子でしょうねぇ)荻上作品の魅力の1つです。
そして、なんといっても注目度ナンバー1は、唯一の日本人キャスト、もたいまさこさん。
もたいさんの実年齢は決して「ばーちゃん」ではないのですが、ここに出てくるもたいさんは見事な「ばーちゃん」です。英語のセリフの中に実に自然に「ばーちゃん」という単語が溶け込んでいます。
そしてばーちゃんは全然しゃべりません。声といえば、トイレから出てきたときのため息だけ。それなのに絶大な存在感があります。そのばーちゃんが、満を持したかのようについに言葉を発する時がくるのですが・・・絶妙なナイスタイミングです!
 
ところで、ばーちゃんを見ているうちにワタクシははたと気がつきました。
「ばーちゃんは、私のばーちゃんにソックリだなぁ」と。だって、90歳を過ぎた母方の祖母の70代ぐらいのころとそっくりだったのですから。