毎日かあさん

またも「過去の映画レビュー」となりますが・・・

世間の公開からはずいぶん遅かったのですが、ＧＷ前に近所の小さな映画館でやっていたので入りました。

 

 

毎日かあさん　監督：小林聖太郎　　主演：小泉今日子、永瀬正敏

 

二人の子育てに仕事にと忙しい日々を、持ち前のたくましさで乗り切る漫画家のサイバラ（小泉今日子）。元戦場カメラマンの夫（永瀬正敏）は戦場でのトラウマのせいでアルコールにおぼれ、二人は離婚することになる。大切な家族を失い、アルコール依存症と闘う夫だったが、今度はガンが見つかり……。

漫画家の西原理恵子が自身の体験を基にした人気漫画を、小泉今日子と永瀬正敏の共演で映画化したホームドラマ。一家を支える大黒柱の漫画家女性とアルコール依存症の元戦場カメラマンの夫、二人の子どもたちとの、一風変わった家族のエピソードをつづっていく。監督は、『かぞくのひけつ』の小林聖太郎。笑いの中に温かい人情を醸し出す原作の世界に溶け込んだ俳優たちの演技に注目。

 

西原理恵子さん原作の映画は、一昨年「女の子ものがたり」でも見たのですが、その時はスランプに陥って描けなくなっている独身の彼女が、四国での少女時代を回想するストーリーです。
対して今回は、２人の子どもをもつ母親である西原さんが仕事に、子育てに、そしてアルコール中毒の夫をかかえて奮闘するストーリー、東京が舞台です。
西原さんと夫のカモシダさんを演じるのは、小泉今日子さんと永瀬正敏さん。どこか息が合っているように感じられたのは、「元夫婦」による共演だったからでしょうか？

仕事と子育てで毎日がドタバタ・・・だけではなく、夫はアル中、作家を志そうとしてもダメ、ついに離婚、隔離病棟への入院、だけど退院してきたらさっそく・・・という「壮絶」とも思えるような毎日を、自然体で、笑いに変えてしまうサイバラさんの強さを感じる作品でした。

ようやくカモシダさんがアル中を克服して、家族の穏やかな日々が戻ってきたかのように思われたのだけど、既にカモシダさんには別の病魔が忍び寄っていた・・・これって本当の話でしょうか？と思うくらいだったのですが、ホロリとして、家族っていいなあと思えるストーリーでした。

そして、作品中の子役たちの「いかにも腕白兄妹」な演技に笑ってしまい、ドロドロ人間関係の象徴のように描かれることが多い「ママ友」たちの存在が、サイバラ家に笑いをもたらすアクセントになっているのがよかったです。