As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

涙々雨

私が銀座のクリニックで知り合った病気友だちのKさん、Mさんを見送ってしまったのですが、まるで涙雨のような夜にSちゃんのことも見送ることになりました。
旦那さまの転勤で関西に引っ越したSちゃんはご実家のある関東に帰省するたびにクリニックにも寄ってくださり、クリニックのお茶会やランチをしたり楽しい時間を過ごしてきました。
一昨年のまだ残暑が厳しいころ、Mさんの新しい場所が横浜に決まったので、お参りに行ったあと関内の老舗の割烹で親子丼を食べました。老舗の割烹の親子丼だけあって値段に比例した美味しい親子丼でした。それがSちゃんと会った最後になってしまいました。

Sちゃんの病気のことでいろいろなことが起きて、Sちゃんが前向きに立ち向かっているのに、私たちにはどうすることもできなくて…優しい旦那さまをはじめご家族の支えがあったからSちゃんは自分らしく頑張ってこられたんだと、今日初めてお会いした旦那さまと話をして思いました。病気が見つかってから10年、月並みな表現しかできないけど本当に本当に頑張ってきたから、もう痛みがなくなって良かったよ。一足先に行かれたKさんとMさんと一緒に楽しく過ごして、私たちがいずれ行く日まで待っていて欲しいです。

病気友だちを見送ることがふえて、どこに連絡するのかなど場数が増え、それなのにそれ以外の日常生活や他の連絡事項はやっている自分が何だろうと思えてきて、
でもSちゃんの旦那さまとお話しできたら、涙々がいつまでも止まらなくて、斎場を出て駅で電車を待っている時に返礼品の袋を開けたら「おもいで綴り」と書かれた会葬礼状が出てきました。
紋切り型の文面ではなく、旦那さまが心を込めた思い出、思いがたくさん書いてあったのです。
会葬礼状をもったまま、駅のホームで思いっきり泣きました。もう誰に見られても構わなかったです。こんなに思ってくれる人を置いていってしまうなんて何て病気なんだろうね。でも病気が分かってから10年、Sちゃんは辛いことだけじゃなくてしあわせな人生だったと思います。

有楽町で一緒にランチしたMさんもSちゃんも旅立ってしまって寂しいけど、私はこっちで毎日を大切に行きていくからね。毎日いろんなことがことがあるけど、ひとつひとつ向き合っていきたいと思うよ。

Sちゃんのご冥福をお祈りいたします。