As You Like It     ~気が向くままに~

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大英博物館 古代エジプト展

 
先日、録画していた「高校生クイズ」を見ていたのですが、私たちが高校生の頃と違ってますます難問化が進んでいますね。夫は勤務先の学校が予選落ちしていることもあってあまり興味ないようでしたけど、千葉の公立高校出身のワタクシは、船橋高校の快進撃に1人で騒いで声援を送っていました(ちなみにワタクシの母校もずーっと前に全国大会決勝まで勝ち残ってラサールに負けたことがあります。悲しいかな、公立高校は最後は有名私立に勝てない)。で、夫の勤務先の職員室ではその船橋高校をサッカーで有名な市立船橋高校と勘違いしていた人がやはりいたようです…(高校生クイズで準優勝したのは県立船橋高校だからね。野田首相の母校だって散々言ってたでしょ)

さて、相変わらずの残暑で水不足も気になりますが、そろそろ終わってしまうというこの時期に割引券を手に入れたので行ってみました。

六本木ヒルズ 森タワー52階でやっている大英博物館 古代エジプト展」です。
 
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六本木ヒルズの森タワーの展望台は、オープンしたころ登ったことがあります。この美術館はその展望台「東京シティビュー」と同じフロアにありますが、展望台のチケットがないと外を見ることはできません。

耳がキーンとしながら高速エレベーターを登って美術館につきました。
実はこの美術館に来たのは初めてでした。

古代エジプトといえば、盛り上がっているのはワタクシも見に行った上野のツタンカーメン展ですよね。
あちらは、エジプトのカイロにある考古学博物館からの出展が多いです。
一方、こちらの展覧会は「大英博物館」からの出展作品 から成り立っています。
かの有名なロゼッタ・ストーンは来日しませんでしたが、今回は日本初公開となる「グリーンフィールド・パピルスが最大の見どころです。

この展覧会のテーマは死者の書です。
死者の書』とは、古代エジプトで死者を埋葬する時に故人のミイラとともに収めたりミイラのマスクや棺に書かれていたものです。 古代エジプトでは、死者は様々なものに姿を変えながら、危険に満ちた冥界での旅を続けました。行手には、さまざまな困難が待ちうけ、それらを克服し、再生・復活を果たすために、呪文を唱えることが必要とされました。「死者の書」は、様々な試練が待つ旅路で死者に守護の力を与える呪文集、未来への旅のガイドブックなのです。その多くは美しい文字や挿絵で彩られたパピルスの巻物として死者に捧げられました。

出展された作品の多くは、ツタンカーメンの時代より幾分下って、紀元前1000~900年前ほど、クレオパトラプトレマイオス朝時代のものもありました。棺やミイラマスクなどもいくつかありましたが、ツタンカーメンの時代に比べると「黄金キラキラ度」は薄くなっているように感じました。

古代エジプト象形文字や絵が豊富に描かれた数々の「死者の書」ですが、これだけ精巧な作りの巻物が現存することに、改めて古代エジプトの高い技術力を感じます。

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そして、いちばんの目玉ですが、展示室をひと部屋丸ごと使っての展示です。
現存する世界最長全長37mの『死者の書』(グリーンフィールド・パピルス)です。
テーベを中心に上エジプトを支配していたアメン大司祭パネジェム2世の娘で女性神官のネシタネベトイシェルウの『死者の書』なのですが、埋葬されてから、数々の試練を経て、 最大の試練である「冥界の王オシリス神による審判」も描かれています。死者は身の潔白を証明するため、神の前で以下の42項目の罪を犯さなかったことを告白しなければなりません。少しでも言い間違えれば有罪となり心臓は怪物アメミトの餌食になってしまうのです。いわば、「地獄行き」の決定でした。
また、このグリーンフィールド・パピルスは「天と地の誕生を表した挿絵」が特に有名です。

この時代、キリスト教はありませんから、天に召されるといった西洋的な死後の世界観はありません。
冥界への長い旅…日本でも死者は極楽か地獄か閻魔大王の審判を受けるという話がありますが、なんだかその世界観とも通じるような不思議な感覚でした。

いやあ、でも37メートルの巻物ですよ。
その桁違いのスケールは、やはりツタンカーメンを生み出した古代エジプト文明だからこそできることなのかなぁ?と思います。

ちなみに、森タワーから降りてきたら、エジプト人のおじさんがワゴンのお店を広げていて「ネフェルティティ」(古代エジプトファラオ アクエンアテンの正妃で、ツタンカーメンの義母、ちなみに古代エジプト三大美女のひとり)という名前でいろんな古代エジプトグッズを売っていました。
日本の古代エジプトブームはしばらく続きそうですね。