As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

天地明察

先週見た作品です。前売り券を買って平日の午前中に見たのですが、レディースデーでもないのに館内はほとんど埋まっていました。
 
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太平の世が続く江戸時代、算哲(岡田准一)は碁打ちとして徳川家に仕えていたが、算術にもたけていた。もともと星を眺めるのが何よりも好きだった彼は、ある日会津藩主の保科正之松本幸四郎)の命を受け、北極出地の旅に出ることになる。算哲らの一行は全国各地をくまなく回り、北極星の高度を測り、その土地の緯度を計測するという作業を続け……。
 『おくりびと』で第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督が、冲方丁原作の時代小説を映画化した娯楽大作。江戸時代前期、800年もの間国内で使用されてきた中国の暦のズレを正し、日本独自の暦作りに専念した実在の人物安井算哲の半生を描く。算術と星に熱中する主人公を『SP』シリーズの岡田准一が演じ、その妻役を宮崎あおいが務める。大志を胸に抱き、何度も失敗を重ねながらもあきらめない男の心意気に感服する。
 
宮崎あおいちゃんは篤姫のころと変わってないなぁと思いつつ…
日本の暦は江戸時代までは太陰暦、明治からは現在まで使われている太陽暦、ということは認識していましたが、江戸時代に暦の大きな改革があったことはしりませんでした。戦国の世が終わってから、800年もの間ずーっと使われていた暦がズレていたことに気が付いたのですね。西洋文明の流入がほぼ途絶えていた江戸時代の自然科学分野の学問のレベルは意外と高かった、ということを聞いたことがありますが、あの時代にあれだけの高度な数学と天文学の知識を持っていた人々がいた、ということに驚きました。数学者関孝和の名前は知っていましたが、元は将軍の前で碁を打っていた人物が暦改革を成し遂げたということはこれまで全く知りませんでした。
 
天体望遠鏡もコンピューターも何もない時代に観測と手計算だけで日食や月食の起こる日をすべて当ててしまう、中国で作られた暦とのズレは緯度や経度の違いによるものだったと考察した…当時の人の思考、洞察能力の高さには本当にビックリです。
 
そして、 金環日食を見事的中させた当時の最先端の知識・技術力で作った暦が陰陽道の基となり(だから暦を管理していたのは公家だったのです)、日々の吉凶を占い、年中行事を決めていた、というギャップにもビックリです。今でも生活の中に自然に星占いが入っていたり、星座がギリシャ神話の神々と結びついていたりしますが、洋の東西を問わず天体にはスピリチュアルな魅力があるのでしょう。明治になって太陽暦になっても、干支や方位や星など、カレンダーにはその日が吉凶ではどんな日か示されています。科学的根拠はない、国が違えばその日の吉凶は関係ない、とアタマでは分かっていても、たとえ科学者であっても、なんとなく気になってしまったりしませんか?
明後日、10月7日は大安吉日、夫の末弟の結婚式です。娘は大変楽しみにしています。連休何かと忙しいですが、お祝い事なので気持ちよく行ってきますね。