As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

希望の国

この作品は上映されているところが限られているので、わざわざ有楽町まで行ったのですが、

駅を降りると目指す「有楽町ヒューマントラストシネマ」の入っている有楽町ITOCiA前の広場にすごい人だかりができていました。
特設ステージとテントがいくつか立っているのは見えますが、一緒に立っているのぼりが
「愛媛産には愛がある
ステージには「愛のくに 愛顔(えがお)の愛媛フェスティバル」とあります。
なんじゃこりゃ?でもなんでこんなに人が集まってるの?

とりあえずITOCiAの1階チケットショップで今日の映画のチケットを前売り券で買って(映画館の入り口で1800円出すなんてもったいない)見ること2時間半。

出てくると「愛媛フェスティバル」のステージ前はさらにスゴいことになっており、「撮影禁止」のプラカードを持った係員が何人もいました。
いったい何なんだ。愛媛出身者が集結しているの?

その理由はステージで水樹奈々トークショーをやっていたからなのでした
どうりで男性ばかり集まってると思いましたよ。その記事がこちら→http://daily.co.jp/newsflash/gossip/2012/11/09/0005514774.shtml
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で、ワタクシも必死で首をのばしてはみたのですが、水樹奈々さんは見えず、彼女と一緒にステージに上がっていた「バリイさん」の着ぐるみのアタマがちょこっと見えただけでしたあ、ちなみに明日友近が来るらしいですよ。あとポンジュースも配るらしいです

このような前振りの後にこの映画の感想を書くのはギャップが激しすぎると思うのですが、記憶が鮮明なうちに書いてみたいと思います。

 
 
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泰彦(夏八木勲)と妻(大谷直子)は酪農を営みながら、息子夫婦(村上淳神楽坂恵)と一緒に慎ましくも満たされた暮らしをしていた。そんなある日、大地震が村を襲う。泰彦の家は避難区域に指定されたが、長く住んだ家を離れることができない。葛藤(かっとう)の日々を送る中、息子の妻いずみの妊娠が発覚。二人は子どもを守るためにあることを決意する。
愛のむきだし』『ヒミズ』など衝撃的な作品を次々と世に送り出す園子温監督が、大地震の被害を受けた家族の姿を描くヒューマン・ドラマ。震災の影響で散り散りになりながらも、6人の男女が貫いたそれぞれの愛をつづる。老夫婦をベテランの夏八木勲大谷直子が演じるほか、『ヒミズ』の村上淳、『冷たい熱帯魚』のでんでんや神楽坂恵などこれまでの園監督の作品でも印象的な演技を披露した俳優陣が出演する。今までの作品で園監督が描いてきたテーマとは異なる、悲しくも美しい愛の物語に期待が高まる。

園子温さんの作品を見たのは初めてでした。
震災や原発事故後にドキュメンタリー作品はいくつも作られていますが、原発事故をテーマにした劇場作品はあまり例がありません。
この作品は、東日本大震災から数年経った後に長島県という架空の土地で起こった原発事故という設定にしてありますが、実際の被災地に入り込んで撮影され、津波の爪痕が生々しく伝わってきて、フィクション作品だからこそリアリティがスゴくありました。
正直、感想は賛否両論あるだろうと思います。今回の原発事故での放射能の身体への影響はまだまだ分からないことが多いです。その段階で、反原発(これは監督が伝えたかった強いメッセージでしょう)、放射能の怖さについての描写など、実際に福島の方が見たら不快感を覚える人がいると思います。でも監督は、放射能が怖いんだぞと言いたくてこの作品を撮ったのではなく、3組の男女を通して、この状況における人の感情を極限まで描きたかったのではないかと思います。
認知症の妻を演じた大谷直子さんが、被災地の雪の中で1人娘に戻って盆踊りを踊っていたシーンは圧巻でした。
最後は、ええ?それでいいの?と思ってしまいましたが、まだ現実がラストシーンにたどり着いていないから、そう思ってしまうのかもしれません。

被災地から比較的離れた関東でも放射能に敏感になっています。昨年ほどではなくなりましたが、学校で子どもたちはプール掃除や落ち葉掃きをしなくなりました。給食から牛肉やキノコ類は消えたままで、牛乳を飲まないと決めたご家庭もあります。野菜は西日本産のものが良く売れるし、私自身が米、野菜については比較的気にしなくなりましたが、水産物については西日本のものや輸入物を選ぶようにしています。情報がないから判断できないのです。
それでも、やはり原発事故はどこか遠い場所の出来事に感じてしまうのです。実際にその現場にたたされた人々がどのような思いでこの現実と向き合ってきたのか…その思いに少しだけ近づけたような気がしました。