As You Like It     ~気が向くままに~

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シャルダン展

これも少し前のことになるのですが、私が好きな「三菱一号館美術館」に行った時のことです。

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東京駅を丸の内改札から出た方面にありますので、ようやくリニューアルした東京駅を外から見ることができました。駅舎の写真を撮っている人も多かったですよ。そしてこの写真には全部は入りきりませんでした…

三菱一号館美術館で今やっているのは「シャルダン展-静寂の巨匠」です
国内でシャルダンの個展が開かれるのは初めてです。
とは言っても、シャルダンって誰?ルームシャルダンってのなら知ってる、と言われてしまいそうです。

シャルダンは18世紀、ロココ時代のフランスで活躍した画家です。
エステー化学の芳香剤、ルームシャルダンはこのシャルダンの名前が由来です。
他のフランス人画家と比べると知名度はイマイチのシャルダンですが、静物画の知名度を上げることに貢献した芸術家といえるでしょう。彼の功績があったから、後にセザンヌの活躍があったのだと思います。

9月に国立西洋美術館に「ベルリン展」を見に行った時、シャルダンの作品が一つだけありました。初期の静物画だったと思います。
初期のころは静物画(死んだ鳥とか肉やキッチンなども描いていました)ばかり描いていたシャルダンは、その後風俗画や人物画も描くようになります。しかし再度静物画に転向します。同じキッチンでも、果物の絵が増えてきます。セザンヌのようなタッチではなく、フェルメールの自宅のオランダ絵画のような、繊細で写実的な作風です。
また、彼の作品の特長としては、同一主題でいくつかのパターンを作ったり、対画を手がけたりしています。対画は、部屋の装飾画として飾られていましたがその後バラバラになってそれぞれ別の美術館に収納されていたり個人蔵だったりします。それが今回の企画展で、数十年ぶりに対画が並ぶことができて、それだけでも大きな意義があったと思います。

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これはシャルダンの晩年に近いころの静物画です。セザンヌがリンゴならばシャルダンには葡萄がよく似合うなぁと感じました。