As You Like It     ~気が向くままに~

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終の信託

これも見てからずいぶん経ってしまったんですよねー
 
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同じ職場の医師・高井(浅野忠信)との不倫に傷つき、自殺未遂を図った呼吸器内科医の折井綾乃(草刈民代)。沈んだ日々を送っていた彼女は、重度のぜんそくで入退院を繰り返す江木秦三(役所広司)の優しさに触れて癒やされる。だんだんと距離が近づき、お互いに思いを寄せるようになる二人だったが、江木の症状は悪くなる一方。死期を悟った彼は、もしもの時は延命治療をせずに楽に死なせてほしいと綾乃に強く訴える。それから2か月後、心肺停止状態に陥った江木を前にして、綾乃は彼との約束か、医師としての努めを果たすか、激しく葛藤する。
それでもボクはやってない』の周防正行監督が、法律家でもある朔立木の小説を実写化したラブストーリー。重度のぜんそく患者と恋に落ち、彼の願いから延命治療を止めた行動を殺人だと検察に追及される女医の姿を見つめる。草刈民代役所広司が『Shall we ダンス?』からおよそ16年ぶりとなる共演を果たし、愛と死に翻弄(ほんろう)される男女を熱演。また、浅野忠信大沢たかおが脇を固め、実力派ならではの妙演を披露する。生死を賭した純愛を描くのみならず、終末医療の現場で起きている問題にも踏み込んだ重厚な作品。
 
それでもボクはやってない』は実は見ていないのです。
でも、周防正行監督の久しぶりの作品ということで注目していました。
それに、私は発作は繰り返していませんが喘息患者ですので、映画でどんな風に喘息が描かれるのだろうと興味があったのです。

長丁場の作品でしたが思ったほど長さは感じませんでした。
役所広司さんも草刈民代さんも周防作品には欠かせない役者さんで、特に役所広司さんの喘息患者の演技は迫真に迫っていました。また、後半は大沢たかおさん演じる検事と草刈さんの一騎打ちになるのですが、とにかく大沢さんの目が鋭い。なるほど、検事はこうやって犯人を作っていくのね(言い方ざあまり良くないですが、あの逮捕までの流れはそんな風に見えました)と緊迫感が最後まで続きました。
リビング・ウィル、自分に終末期が訪れた時にどうしたいのか…そんな重いテーマが主人公2人の淡い想いと絡まっていくのですが、ぶっちゃけて私が思ってしまったのが「なんだか脇が甘いなぁ」ということでした。
喘息の病状も、中等度の症状がいきなり終末期になってしまったような印象を受けてしまったのですが、最期の治療を打ち切ったのも、あれでは延命治療をそれ以上しなかったというより患者の息の根を止めてしまったようにしか見えないし、それに立ち会った家族は恐怖を覚えてしまったのではないか?そもそも妻の意志が夫の生前はあんなに要領を得なかったのに、死後何年も経ってからいきなり検察庁に訴える行動力があるのだろうか?などとヘンな勘ぐりばかりしながら見てしまった部分もありました。

でもやはり、いろいろと考えこんでしまう作品ではありましたよ。