きいろいゾウ

今月は映画を良く見ています。
この作品、原作は読んだことないのですが、宮崎あおいちゃんと向井理くんが主演だというので興味を持ちました。

 

 

きいろいゾウ　　監督：廣木隆一　　主演：宮崎あおい、向井理

周囲の生き物たちの声が聞こえる能力を持つ天真爛漫（らんまん）な妻の“ツマ”こと妻利愛子（宮崎あおい）と、背中に入れ墨のある売れない小説家・“ムコ”こと無辜歩（向井理）は、出会ってからたちまち結婚。二人とも互いに言えない秘密を抱えていたが、至って平穏な日常を送っていた。そんなある日、ムコに差出人不明の手紙が届いたことから、二人の関係にさざ波が立ち始め……。

作家・西加奈子の人気小説を、『軽蔑』などの廣木隆一監督が映画化したラブストーリー。出会って間もなく結婚した夫婦が、1通の手紙をきっかけに擦れ違いながらも過去と向き合い、絆を深めていく姿を描く。共に原作のファンだという向井理と宮崎あおいが初共演を果たす。彼らを取り巻く人々には柄本明、松原智恵子、リリー・フランキーら多彩な顔ぶれがそろうほか、人気子役の濱田龍臣、本田望結らが出演。

 

「神様のカルテ」の時も思ったのですが、宮崎あおいちゃんが人妻を演じると、なんだかフシギキャラになることが多いような気がします。
「ツレがうつになりまして」の時もちょっとズレてた奥さんでしたよね（まぁ、だから良かったんでしょうという解釈もできますが）。今回は「ツマさん」「ムコさん」と本名も分からない主役の２人、出会ってすぐに結婚してしまったいきさつ、しかもツマさんは動物や植物と会話ができてしまうフシギ系…その２人が住んでいるのは絵に描いたような田舎（三重県南伊勢町だそうです）とファンタジー要素満載の設定でした。

ムコさんは小説家ではあるけれど、それだけでは生活が苦しいので老人ホームで介護の仕事もしている、ムコさんと知り合った時に喫茶店でバイトをしていたツマさんは、子どもの頃心臓の病気で、ムコさんと結婚してからはのんびり主婦をしている…そんな２人のもとにある日差出人の書かれていない手紙が届いたことからさざ波がたち始めた…二人はムコさんが書いている「日記」の上でしか会話ができなくなっていきます。そしてムコさんが「東京に行ってくる」と告げた夜、ツマさんの気持ちが爆発するのですが・・・

 

うーん・・・これはきっと監督さんが個人的に描きたかったファンタジーの世界だよね。

と思ったのでした。

 

要所要所に挿入される、幼いツマさんが「きいろいゾウ」と空を飛んだ思い出や、初挑戦となったベッドシーンなどが、どうにも唐突感がぬぐえないまま話が進んでいきました。

 

東京でムコさんは「抱えていた秘密＝未完のこと」を完成させ？！、自分には大切なツマがいる！と戻ってくるのですが・・・そしてツマさんもそのことを感じてから、いつのまにか動物や植物の声が聞こえなくなるのですが、なんだか勝手に完結してしまった感じがしました。

 

脇を固める俳優さんたちの演技もすばらしかったし、上映時間も130分とそこそこ長かったのですが、もうちょっと深さが欲しいと思ってしまったのでした。