As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

東京家族

2月に見た映画がたまりつつあるので、レビューを書いていきます。
きいろいゾウ」の次に見たのはこの作品です。
 
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東京家族  監督:山田洋次  主演:橋爪功吉行和子
 
瀬戸内海の小さな島で生活している夫婦、平山周吉(橋爪功)ととみこ(吉行和子)。東京にやって来た彼らは、個人病院を開く長男・幸一(西村雅彦)、美容院を営む長女・滋子(中嶋朋子)、舞台美術の仕事に携わる次男・昌次(妻夫木聡)との再会を果たす。しかし、仕事を抱えて忙しい日々を送る彼らは両親の面倒を見られず、二人をホテルに宿泊させようとする。そんな状況に寂しさを覚えた周吉は、やめていた酒を飲んで騒動を起こしてしまう。一方のとみこは、何かと心配していた昌次の住まいを訪ね、そこで恋人の間宮紀子(蒼井優)を紹介される。
 『男はつらいよ』シリーズや『たそがれ清兵衛』『おとうと』などで知られる、山田洋次の監督81作目となるファミリー・ドラマ。瀬戸内の小島から上京し、自分の子どもたちと久々の対面を果たした老夫婦の姿を通して、現代日本における家族の在り方や絆などを見つめていく。『奇跡』の橋爪功、『人生、いろどり』の吉行和子、「古畑任三郎」シリーズの西村雅彦、『悪人』の妻夫木聡などの実力派が集結し、いつの間にか生じた隙間を埋めようとする家族を熱演する。随所にちりばめられた、山田監督による巨匠・小津安二郎の『東京物語』へのオマージュも見逃せない。
 
夫は私以上にアクション満載だったりスケールが宇宙規模で大きなハリウッド大作には何の興味もなく、ザ・邦画の世界が好きだといいます。そこでこの作品は平日休みになった日に一緒に見に行ったのですが、劇場内はものの見事におじいちゃん、おばあちゃんばかり・・・私たちは完全に浮いてました(笑)
なにしろ、ここ数年映画をよく見始めたワタクシは1953年の小津安二郎の『東京物語』を知らないわけです。
会場にいた多くの人は原作ともいえる東京物語を知っていたのではないかと思います。
(私はウィキペディアで調べて、ようやくこの「東京家族」が「東京物語」と同じような設定(ただし物語は今現在のこと)だということが分かりました。途中に「3.11」のことが出てきたのです)
東京物語」のことがあるから、ついつい違いが気になってしまって、評価も賛否両論に分かれてしまったのだと思います。

老夫婦の子どもたちは、それぞれ東京で自分たちの生活を営んでいて、両親のことは気にはかかるけど、生活のペースがずれてしまってうまく一致しないんです。そんな淡々とした日常が、序盤から中盤にかけて切り取られていきました。

物語は後半、大きく動きます。お父さんは東京の旧友を訪ねて飲んだくれてしまい、お母さんは次男のアパートを訪ねます。その時作った食事が最後になってしまったのです。そのまま急逝してしまったお母さんとみんなは故郷に戻ります。
そこで、これまで会話のなかったお父さんと次男の彼女である紀子との間に心温まる交流があるのです。

私たちも普段は首都圏に暮らしていて、バタバタと毎日が過ぎていきます。そんな中、ふと立ち止まって優しい気持ちになりたいな、と思わせてくれる作品です。親孝行したい時には親はなし、という言葉がありますが、本当にそうかもしれない、だから大人になってからの両親との時間は大切にしたいと思ったのでした。