As You Like It     ~気が向くままに~

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命をつなぐバイオリン

今日も朝から風は強いわ空気は濁ってるわそして暑いわで・・・いったいなんなんだー!って感じでした。
で、夜になったら急激に寒くなってますから、体調には十分気をつけたいですよね。
 
さて、この作品が2月最後の映画レビューとなります。
ミニシアター系の作品で、やっているところがとても少なくて有楽町まで見に行きました。
 
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命をつなぐバイオリン 監督:マルクス・O・ローゼンミュラー 主演:エリン・コレフ、マティルダ・アダミック、イーモゲン・ブレル
 
 1941年、ウクライナのポルタヴァ。ユダヤ人のアブラーシャ(エリン・コレフ)とラリッサ(イーモゲン・ブレル)は、子どもとは思えぬバイオリンとピアノの腕で神童として騒がれていた。そんな彼らのうわさを聞き、同じようにバイオリンの名手であるドイツ人少女ハンナ(マティルダ・アダミック)が一緒にレッスンをしたいと申し出る。音を合わせるうちに、3人は絆と友情を深めるように。だが、ナチス・ドイツウクライナへの侵攻を開始。それを機にユダヤ人迫害も始まり、アブラーシャたちに危険が迫る。
ナチス・ドイツの侵攻によって、恐怖と混乱に揺れるウクライナを舞台にしたドラマ。バイオリンとピアノの才能に恵まれたユダヤ人の少年少女らが、それを頼りに強制収容所送りを逃れようとするさまが描かれる。メガホンを取るのは、テレビ映画やビデオクリップを手掛けてきたマルクス・O・ローゼンミュラー。主人公アブラーシャを演じるのは、わずか12歳でバイオリニストとして華々しくデビューしたエリン・コレフ。緊張感漂う演奏シーンに加え、ドイツ人とユダヤ人の子どもたちが絆を育むさまにも胸が熱くなる。

見終わってまず思ってしまったのが「邦題、もうちょっとセンスあるタイトルにして欲しかったな…」ということと、話の展開のさせ方はすごく古典的だったな…(老人になった主人公が膨大な回想をする、というパターン)ということだったのですが、そんなことを突っ込んでいる場合ではないくらいに、少年少女たちの演技が光っていました。

ナチスによるユダヤ人迫害の話はかのアンネ・フランクはもちろんのこと、いろいろな題材があります。今回は旧ソ連独ソ不可侵条約を破ってドイツ軍が侵入し、そこからこの土地でも容赦ないユダヤ人迫害が始まったというストーリーです。
 
ウクライナで神童と呼ばれたアブラーシャとラリッサ。ウクライナにあるドイツ醸造所の娘のハンナもバイオリンの才能があり、2人と仲良くなりたいと思っていました。
アブラーシャとラリッサは国内の演奏旅行の他、夢だったアメリカ・カーネギーホールでの演奏会も予定されていたのですが、ドイツ軍の攻撃により運命は一転します。
始めはドイツ人のハンナ一家の運命が危うくなります。しかしやがてナチス軍が到着すると、ここでも「ユダヤ人の絶滅」が始まったのです。
子供たちも容赦なく収容所へ送り込まれていきますが、ナチスはここでもアブラーシャとラリッサを利用しようとしました。2人が「完璧な演奏」をすれば収容所送りは免除する、でも一つでもミスをすれば・・・

それから何十年も経ち、ドイツで演奏家として活躍していたハンナの前に現れたアブラーシャは、あれ以来バイオリンを弾くのはやめたと最後に語りました。
物語を通して流れる「友情の曲」が悲しくも美しく、戦争映画としてだけでなく、音楽を聴かせてくれる作品として悲壮すぎない雰囲気で見ることができました。
でも、最後のコンサートの緊迫感と、その後の再会の物悲しさと・・・
戦争はやっちゃいけない、って一言だけが感想として残りました。