ひまわりと子犬の７日間

この作品を見た翌日に堺雅人菅野美穂のビッグカップル誕生が報じられたワケです…

 

 

ひまわりと子犬の７日間　監督：平松恵美子　主演：堺雅人、中谷美紀

 

妻に先立たれ、シングルファーザーとして二人の子どもを育てている保健所職員の彰司（堺雅人）は、命懸けでわが子を守ろうとする母犬と出会う。その犬は、老夫婦のもとで大切にされていたが、夫婦が去り、孤独な中で子犬を生んで育てていた。彰司は犬の母子を守ろうと決意し、母犬に「ひまわり」と名付ける。

 『日輪の遺産』の堺雅人と『しあわせのかおり』の中谷美紀が共演し、動物管理所で起きた実話を基に人と犬とのきずなを描いた感動のヒューマン・ドラマ。二人の子どものシングルファーザーでもある動物管理所の職員が、人間不信になり子犬を育てるのら犬と出会い、犬と人が信頼を築くプロセスを通して命やきずなといった大切なものをつづる。監督は、山田洋次監督のもとで助監督や脚本を務めるなど経験を積み、本作が初監督作品となる平松恵美子。犬と人との交流と周囲の人々の人情を描く、ハートフルなストーリーに期待。

 

犬が出てくる話って、どうしても涙をそそるものが多いので、なんとなく避けていたのですが、これは堺雅人さん主演というので気になっていました。公開日が近づくにつれてテレビでも取り上げられていましたし。前回は「大奥」で野心的な大奥総取締役を演じていた（ここで、映画だけでなく実生活での恋を実らせたワケですが…）彼が、今度は犬を前にどんな演技を見せるのか…？それに、この作品で堺さんが宮崎出身だということを初めて知りました。どうしても頭の中では「宮崎＝そのまんま東（もう古いか、この芸名）」のイメージが強かったので。

犬が出てくる作品には、犬に演技をさせるためのトレーナーさんの存在が不可欠なのですが、今回は一昨年のドラマ「南極大陸」と同じベテラントレーナーさんが携わったそうです。そういえばあの作品にも堺雅人さんは出ていたのでした（犬たちとの絡みはあまりなかったですが…）

今回の話はペットブームの影に潜む「保健所における犬の殺処分」がテーマなので、かなりデリケートだったと思います。保健所につれて来られた犬というと、飼い主の無責任さを責める方向に行きがちですが、今回のひまわりのように、どうにもならない理由で保健所に来るケースも少なくありません。とはいえ税金で運営されている保健所ですから、心情的に犬を救いたくてもどうにもできない部分もあります。だから彰司はなかなか娘と向き合うことができなくて、難しい年齢に差し掛かった娘と衝突してしまうのです。そんな２人の間を橋渡しするのが、亡き母に代わって彰司一家をほどよい距離で見守っている獣医の美久。そして彰司は母犬を必ず救うとできそうもない約束をしてしまいます。

彰司をとりまく保健所職員のメンバーも個性的だけど絶対どこかにいそうな面子がそろっていました。中でもオードリーの若林くんが演じた一也のダメさぶりが突出してましたけど。

 

ラストは最初から分かっていたというか・・・いかにもお涙もののようなタイミングでひまわりが心を開いた、というのはベタな展開だと思いましたが、ひまわりと子犬がともに救われたというのは実話に基づいていますので、単なるフィクションじゃないと安心して見ていられました。

 

最後に「愛犬まつり」での譲渡会の様子が写っていましたが、今でも行き場のないペットを少しでも減らそうと努力している方々がいらっしゃるのですが、もっともっとその活動が世間に認知されて広がって欲しいなと思いましたよ。