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春休みバリ島旅行-3(ケチャ編)

バリ島の魅力といえば「バリ舞踊」もあります。ガムランの音をバックに独特の衣装をまとった踊り子が舞うバロン・ダンズやレゴン・ダンス・・・それらの中でも「ケチャ」は特に有名で、異彩を放つものです。
上半身裸の男たちが円陣を組んで「ケチャケチャケチャ・・・」っとやるケチャは、昔小学校のころ音楽の時間に「世界の民族音楽を聴く」みたいな授業で聞いたことがありました。で、そのときは「ケチャケチャ」に爆笑が起こったことしか覚えていません。今回そのケチャを見ることになったんですね~
 
ケチャの公演を毎日夕方にやっているのは「ウルワツ寺院」
バリ・ヒンドゥーの古いお寺で、リゾートホテルが立ち並ぶ地区からは車で40分ほどかかります。
 
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断崖絶壁?!の上に寺院の塔が見えます。
寺院につくと、まずは門や境内の見学です。ちなみにバリ島の寺院は信者でないと中に入れないので、見学するといっても門の外から見ることになります。
 
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 象の神様(ガネーシャ
 が鎮座している寺院の
 門です。字が小さいです
 が「Do Not Enter」って
 書いてあるのが分かり
 ますよね?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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境内には野生のサルが
たくさんいますので、
大事なものを取られない
ようにしてくださいと
言われました。人を見て
もちっとも動じないサル
たちです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、ケチャの会場に移動します。屋外に石でできた円形で階段状の劇場があります。
ガイドさんは、できるだけ上のほうで見るようにすすめてくれました。ケチャは日没にかけて演じられるので、一緒にサンセットも見られるからです。
 
さて、ここで現在バリ島で演じられている「ケチャ」について説明しますと、
もともとバリ島の土着の宗教、呪術的な民謡である「ケチャ」は、1930年代にバリ島に住んでいたドイツ人のアイデアによって、観光用の舞踊にアレンジされました。古代の英雄である「ラーマ王子」の妃「シータ姫」が魔王にさらわれてしまい、王子の仲間のサルたちが姫を救うために戦いを挑むという「ラーマーヤナ」の物語の舞踊が行われ、その周りで男性ダンサーによる「ケチャ」が歌われるのです。つまり、ケチャがBGMであり舞台装置となるわけですが、そのケチャだって、ただケチャケチャ言ってるわけではありません。ダンサーたちは複雑なパートに分かれていて、まず主旋律を刻むのがタンブールと呼ばれるパートであり、これは、一人で「シリリリ・プン・プン・プン」と4拍子で発声します。さらに、プポと呼ばれる一人で受け持つパートがメロディーを歌います。そして、この二人以外の全員が、4つのパートに分かれ混ざりあって座り、サルの鳴き声を模倣したピッチを持たない「チャッ」「チャッ」というような発声するのです。これが合わさると、なんとも上手く「ケチャケチャケチャケチャ」という16ビートのリズムのように聞こえるのです。すごいです!
 
席につくときに、物語のあらすじが書かれたプリントをもらいました。インドネシア語、英語、日本語のバージョンがあります。
 
 
Youtubeにウルワツ寺院でのケチャダンスがアップされていたので、貼らせていただきました。
 
そして、午後6時にケチャが始まりました。 
 
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男たちは火の回りを取り囲みます。やがてラーマ王子やシータ姫が出てきて物語が始まります。
 
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シータ姫をさらいにきた魔王。
なかなかおちゃめなこの魔王、アドリブで挨拶をはじめ「バリ島へようこそ~」と日本語で言ってくれました。
 
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シータ姫を取り戻そうと戦う白猿のハヌマン。この猿も観客席を自由自在に動いて楽しかったです。
 
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そしてサンセット。この夕日がバリ島で見た最後の太陽となりました。
小学生の頃その芸術性も分からずに笑ってしまったケチャでしたが、男性たちの力強さと一糸乱れぬチームプレー、それにバリ舞踊が合わさって素晴らしい舞台でした。
公演が終わったときにはすっかり日も落ちて、車で市街地に戻る道中は道端のお店も最低限の薄暗い明かりのみで営業していました。そして市街地に戻ってから最後のお土産の買出しと夕食をとって、深夜の成田行きで帰国しました。・・・が、このブログでのバリ島編はまだ書き足りないことがあるので、シリーズは続けますね。