As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

藁の楯 わらのたて

映画のレビューがまた溜まってきましたので、見た順に書いていきます。

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少女が惨殺される事件が起き、殺人事件の懲役を終えたばかりの清丸(藤原竜也)が指名手配される。清丸を殺せば10億円の謝礼を支払うという新聞広告が出され、身の危険を感じた清丸は福岡県警に自ら出頭。清丸の命が狙われるという状況下、警視庁警備部のSP銘苅(大沢たかお)と白岩(松嶋菜々子)は凶悪犯を移送することになる。
ビー・バップ・ハイスクール』シリーズで知られる漫画家の木内一裕の小説家としてのデビュー作品を、三池崇史監督が映画化したサスペンス・アクション。凶悪な殺人犯に10億円の懸賞金がかかり、犯人を移送することになった刑事たちの緊迫した道程をスリリングに描く。正義とは何かと揺れる思いを抱きながら、命懸けで犯人を移送する警視庁警備部SPを演じるのは大沢たかお松嶋菜々子。少女を惨殺した殺人犯には藤原竜也がふんする。常に油断できない展開であっといわせる三池監督の演出が、サスペンスで生かされることが期待できる。

この作品もカンヌに出るということで興味を持ったのです。
カンヌでは残念でしたが…レッドカーペットを歩いていた松嶋菜々子さんはさすがキレイでしたが、実際に映画を見て、無冠に終わったのは分かるような気がしました。

サスペンス・アクションということで、確かにこれまでの邦画になかったようなドキドキの緊迫感がありました。
でも、その設定がリアリティに乏しく、だからといってファンタジーでもない中途半端さが目についてしまって、終始「ありえねーだろ」って感じになってしまったのです。
連続幼女殺人事件の被害者がいくら財界の大物の孫娘だからって、犯人を殺した者に10億円の懸賞金が出る広告がデカデカと載るなんて有り得ないし、護送道中のあの出来事も有り得ないし、ラストも余計に有り得ない。だから、見ていても心にくぐっと響いてくるものが薄かったんだよね…と思ったのでした。

それでも主役のお二人の演技はすごかったし、それ以上に犯人役清丸を演じた藤原竜也さんの怪演ぶりがスゴかったです。デスノートよりはるかに磨きがかかっていて、マジ殺してやりたい犯人になっていました。
それから、新幹線のシーン。
エンドクレジットに「台湾ロケ」の文字があって、なんだろうと思っていたら、台湾新幹線を使っての撮影だったのです。駅のシーンも深夜に駅を貸し切って、実際に新幹線を走らせつつ撮ったとか…高速道路のシーンは国内で撮ったそうですが、そういうスケールの大きさには、スゴいなと思いましたよ。