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「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

マンモスYUKA

今日はまさに「台風一過」という言葉がふさわしい秋晴れです。神奈川も大雨洪水、暴風警報が出ましたが、幸い大きな被害もなく台風がすぎて行きました。
その台風が来る前に行ってきたのがこちらです。

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会期が終わる間際に行ったのは、決して安い展覧会ではなかったので(大人の入場料は2200円)なかなか行く決心がつかなかったんですよね。
三連休の初日、まだ天気が悪くなる前の日に行ったのですが、チケット売場は30分待ちでした。私のように駆け込みで見に来た人も多かったのでしょうね。そして会場内は思ったよりはゆったりとしていました。

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まずは「マンモス」を知るために「ゾウ🐘」について学びます。
ゾウの祖先が現れたのは5000万年前くらいのことで、その動物の鼻は長くありませんでした。その後進化を経てゾウの鼻は長くなっていき、現在生息しているアフリカゾウアジアゾウになります。その進化の枝分かれの中でマンモスの仲間が現れます。旧石器時代の日本にはナウマンゾウがいましたが、既に絶滅しています。そして、今回の「マンモスYUKA」の種であるケマンモスはシベリアの広大な土地に生息して、当時の人々の狩猟の対象となっていました。
ナウマンゾウの遺骸が骨しか残されていないのに対して、ケマンモスは寒冷地に生息していたので、遺骸は永久凍土の中で凍ったまま保存され、皮膚や体毛が残ったのです。

現存するアフリカゾウアジアゾウと絶滅したナウマンゾウ、ケマンモスの骨格を比べると身体の大きさにはあまり差がないことが分かります。そして、ケマンモスは寒冷地に適応するための身体の特徴が沢山あることが分かりました。展示会ではケマンモスの牙や骨、体毛などを実際に触ることができました。

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そしていよいよ「YUKA」が納められている冷凍庫の前に来ました。
これまで展示物やパネルの写真を撮ってきましたが、さすがにこれだけは撮影が禁止されていました。

2010年にシベリアの永久凍土から発見された3万9000年前のYUKA(ユカ)は、全長約3メートルのメス(10歳)のマンモスで、豊かな体毛に覆われ全身がほぼ完全な状態で見つかりました。これまで見つかったマンモスは身体の一部分しか発見されなかったので、個体がそのまま保存されていたというのは驚きです。勿論、完全な状態で見つかった冷凍マンモスとしては世界最大級になります。

マンモスの個体、というから成獣に達していなくてもかなり大きいのではないかと思っていたのですが、予想より小さなものでした。
市原ぞうの国にいる子ゾウのゆめ花より小さかったな…

冷凍された動物の個体はマンモスだけでなく、もう一頭、当時のシベリアに生息した「ケサイ」も出てきました。これも大変貴重なものです。マンモスと同時期に生きていたケサイも寒冷地に適応するために長い体毛を持っていて、現在は絶滅しています。その一方で、クズリのように現在も生息している動物もいます。なぜマンモスが絶滅してしまったのか…人が猟り尽くしてしまったという人為的な説や気候の変動による説などいくつか考えられていますが、まだはっきりとは分からないそうです。そして、近年の地球温暖化によって永久凍土の中から冷凍マンモスが次々に発見されている(YUKAが見つかったのもそういう経緯による)とパネルに書かれていたので、マンモスの発見を喜んでばかりもいられないのだと考えさせられました。

見終わった後で娘に「ダイオウイカとどっちが面白かった?」と聞いたらイカよりマンモスだったそうです。パネルの説明が大人向けだけでなく、子供にも分かりやすくなっていたのが良かったのでしょうね。