As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

ダイアナ

映画のレビューがまた溜まってきてしまったので,ボチボチ書いていきたいと思います。
 
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主演:ナオミ・ワッツ,ナヴィーン・アンドリュース
 
 1995年、ダイアナ(ナオミ・ワッツ)が夫のチャールズ皇太子と別居してからすでに3年の月日が過ぎようとしていた。ある日、彼女の良き友であり、治療師でもあるウーナ(ジェラルディン・ジェームズ)の夫が倒れたと連絡が入り、ダイアナは急いで病院に駆け付ける。そこで彼女は、優秀な心臓外科医ハスナット(ナヴィーン・アンドリュース)と出会い……。
 『インポッシブル』などの演技派女優ナオミ・ワッツが主演を務め、1997年に交通事故死した元イギリス皇太子妃ダイアナに迫る感動作。20歳で英国王室に嫁いだ若く魅力的な女性が出産や離婚を経験し、しなやかに変貌と自立を遂げる姿を描き出す。メガホンを取るのは、『ヒトラー ~最期の12日間~』『インベージョン』のオリヴァー・ヒルシュビーゲル監督。一人の女性として精いっぱい生き、36歳の若さで逝ったダイアナ妃の愛と苦悩と戦いの日々に心打たれる。
 
イギリス王室では,今年の夏ウィリアム王子とキャサリン妃の間にジョージ王子が誕生したのですが,それらの報道に際しても,ウィリアム王子の母である故ダイアナ皇太子妃のことは切っても切れないようでした。ウィリアム王子はダイアナ妃の面影を強く残しているし,キャサリン妃が出産した病院は,かつてダイアナ妃がウィリアム王子を出産した病院だったのです。
ウィリアム王子の父であるチャールズ皇太子は,ダイアナ妃と離婚,死別後にカミラ夫人と再婚し,それに対して複雑な思いを抱く人は多かったですが,時が過ぎてようやく受け入れられてきたように思います。それでもダイアナ妃の輝きは忘れ去られることはないし,映画を通してスクリーンによみがえってきたナオミ・ワッツさんが演じるダイアナは,実在の皇太子妃を思い起こさせるに十分でした。
 
物語は,ダイアナがチャールズ皇太子と別居した後のこと,亡くなる2年前からのことを描いていますので,王室メンバーが出てくることはありません。別居してもパパラッチに追われ,常に人の目に取り囲まれている毎日。
「5 0億の人に愛されても、誰も私と一緒にいてくれない」というセリフには,きらびやかな世界にいても心は常に孤独の中にあった心の叫びが伝わってきます。
 
ダイアナが20歳の時に王室入りする前から,チャールズ皇太子の胸の中にはカミラ夫人が存在していたという最初から幸せにはなれないだろうと予測できる結婚生活でした。ダイアナは皇太子と別居して初めてそれまでの籠の中に捕らわれたような生活から,一人の女性として自立して歩こうとするのです。そのような過程に恋愛は大きな要素となりますが,いかんせんお相手のカーン医師は,ダイアナの気持ちを真っ向から受け止めるだけの器量を持っていなかったように映ります。夫と別居した皇太子妃,というダイアナの肩書きにビビってしまったのか,いろいろ理由は付けているけれど,所詮そこまで好きではなかったのね,自分の方がかわいいのね,と冷めた見方をしてしまいました。だから,その後にダイアナがドディ・アルファイドと出会って一緒にクルージングをしている時にワザと?!写真を撮られたりしているのがひどく安っぽく見えてしまったし,地雷撲滅に向けての活動も,自分の自立というよりは,恋愛の付属物に見えてくるし・・・「あの日」に向かって堕ちていくように映ってしまいましたね・・・ハスナット・カーン医師は現在も外科医であるとエンドロールに出てきましたが,今こそ冷静に仕事ができているのかどうか気になります。
 
チャールズ皇太子がダイアナ妃と結婚したのは,跡継ぎをもうけるためだけだったのかもしれませんが,息子のウィリアム王子は誰からも愛される人柄に成長し,キャサリン妃という伴侶を得てジョージ王子ももうけました。
ダイアナが生きていたら,どれほどに喜んだのだろうと思いますが,彼らはダイアナのような思いをすることなく,愛する人と一緒に過ごせるという,世界中の人が望んでいるような家庭を築いてほしいと思います。