永遠の0
今年の映画レビュー、新年第一弾はコレです。昨年から予告編を見て気になっていたのでした。
祖母の葬儀の席で会ったことのない実の祖父・宮部久蔵（岡田准一）の存在を聞いた佐伯健太郎（三浦春馬）。進路に迷っていた健太郎は、太平洋戦争の終戦間際に特攻隊員として出撃した零戦パイロットだったという祖父のことが気に掛かり、かつての戦友たちを訪ねる。そして、天才的な技術を持ちながら“海軍一の臆病者”と呼ばれ、生還することにこだわった祖父の思いも寄らない真実を健太郎は知ることとなり……。
零戦搭乗員の悲劇を描いた百田尚樹のベストセラーを、『ALWAYS』シリーズなどの監督・山崎貴が映画化した戦争ドラマ。祖父の歴史を調べる孫の視点から、“海軍一の臆病者”と呼ばれたパイロットの真実の姿を、現代と過去を交錯させながらつづっていく。主人公の特攻隊員役に、『天地明察』『図書館戦争』などの岡田准一。現代に生きる孫に三浦春馬がふんするほか、井上真央や夏八木勲など若手からベテランまで多彩な俳優が共演する。生と死を描く奥深い物語はもちろん、サザンオールスターズによる心にしみる主題歌にも注目。
昨夏のジブリ映画「風立ちぬ」は零戦ができるまでの物語でしたが、この作品は零戦の乗組員の物語です。
これまでは空襲や原爆など「一般市民」からみた戦争を扱った作品が多かったと思いますが、この映画は戦場に出た軍人からみた戦争が描かれています。
個人的には「風立ちぬ」の続きを見ているような気持ちで見始めたのですが・・・
144分という上映時間の長さも感じさせずに物語にどんどん引き込まれていきました。
あの当時にはなかなか受け入れられなかった「家族を残して死ぬわけにはいかない」という久蔵の思いや、冷静に戦況を分析してしまう故に不利な状況であることが分かってしまい、そのことで戦意喪失になると疎んじられること、そして最初は彼のことを受け入れていない周囲の軍人たちが次第に久蔵に惹かれていく様子や、自身の生還にこだわっていた久蔵が遂に特攻となった思いや後輩に託したことなど・・・一機も帰ってこなかったという零戦の乗組員に起こった数々のドラマと、久蔵と「祖父」との間のあっと驚く関係に片時も目が離せず、そして要所要所の場面に泣かさせました。サザンのエンディングが染み渡ります。
また、乗組員の機上での表情をはじめ、戦闘シーンのCGも素晴らしかったし、久蔵が敵の追撃を見事にかわして最後空母に体当たりしてくる場面はもう鳥肌が立つような思いで見ました。岡田准一さんのストイックな感じがいいですね。今年は大河ドラマで１年間追い続けることになります。
心から感動できる作品です。ぜひスクリーンで見てくださいね。
