As You Like It     ~気が向くままに~

「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

大統領の執事の涙

雪だインフルエンザだオリンピックだとやっているうちに3月になってしまいましたね・・・

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綿花畑で働く奴隷の息子に生まれた黒人、セシル・ゲインズ(フォレスト・ウィテカー)。ホテルのボーイとなって懸命に働き、ホワイトハウスの執事へと抜てきされる。アイゼンハワーケネディ、ジョンソン、フォードなど、歴代の大統領に仕えながら、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争といったアメリカの国家的大局を目の当たりにしてきたセシル。その一方で、白人の従者である父親を恥じる長男との衝突をはじめ、彼とその家族もさまざまな荒波にもまれる。
実在したホワイトハウスの黒人執事の人生をモデルにしたドラマ。奴隷から大統領執事となり、7人の大統領に仕えた男の波乱に満ちた軌跡を追う。主演を務める『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカーを筆頭に、ジョン・キューザックジェーン・フォンダテレンス・ハワードなどの実力派が結集。メガホンを取るのは、『プレシャス』などのリー・ダニエルズ。濃密なドラマとストーリー展開に加え、アメリカ近代史を見つめた壮大な視点にも引き込まれる。
 
最近ドラマやアニメでは「執事」が出てくる作品がやたらと注目を集めているような気がしますが・・・もちろんこの話はそういうテイストのものではありません。
アメリカにおける黒人の歴史、かつては奴隷として扱われ、奴隷制度がなくなっても差別の時代が長く続いたこと、その歴史の中にはキング牧師などの人物がいたこと・・・なんとなく認識はしていたけれども曖昧な記憶しかなかったアメリカの近代、現代史の流れが「大統領の執事」の人生を通して描かれていました。
そして、この壮大なストーリーは綿花畑の奴隷の息子がホテルのボーイからホワイトハウスの執事となった一代記だけではなく、黒人解放運動の活動家となった長男との確執も描かれています。親子は正反対な生き方をしてきたわけですが、主人公があるとき執事ではなく「客人」としてホワイトハウスに招かれて給仕を受けたときに、自分が黒人ではあっても「白人に寄り添う」立場で生きてきたことを実感します。どちらが正しいとかそういうのではなく、心の中では同じことを願ってきたのかもしれないのに、立ち位置が違うことで長い間互いを理解できなかったのですよね・・・セシルの妻のグロリアは、やはり母親として息子を包み込んでいたようでした。
 
そして、映画の舞台となるホワイトハウスはやはりひときわ華やかで、大統領の晩餐会のシーンなどは一見の価値ありです。歴代大統領たちも、みなさんホンモノに似ているのですが、特にそっくりさんだったのはやっぱりレーガンだったでしょうかね・・・?そしてニクソンレーガンの間のカーターは出てこなかったと思うのですが・・・アイゼンハワーのときに執事になったセシルが、最終的にはオバマが当選する時まで健在だったという設定はなかなかスゴイと思いましたね。