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モンゴメリと花子の「赤毛のアン」展

いったい・・・なんで5月から猛暑日なんですか
 
そんな中、あっという間に終わってしまうというので夫が休みの平日に日本橋三越まで「モンゴメリと花子の『赤毛のアン』展」を見に行ってきました~
(東京展は6/2で終了です。次は6/14から北九州で開催されます)
 
なにしろ朝ドラの影響で盛り上がっている「赤毛のアン
着いてみると、先月の浅田真央ちゃんみたいにものすごい人です。
平日ということもあり、年配の女性が主な客層でした。それこそ若いころに村岡花子さんの訳本を読みふけっていたんだろうな~と思えましたが。
 
行く前は「入場料も800円だし、デパート内の展覧会だし、まぁ正直それほどでもないんだろうな・・・」とはなはだ失礼なことを考えておりました。
 
が。しかし
 
ものすごい充実感とボリューム
 
原作者モンゴメリ、翻訳者村岡花子、そして物語の主人公アン・シャーリーを軸としたじっくりと魅せてくれる展覧会でした
 
少女時代からの写真が何枚も展示されていました。
貴重な直筆の原稿や、当時の欧米の女性の間で流行った「スクラップブック」
若い女性のみずみずしい感性がいっぱい詰まった「私だけの宝物」帳です。
復元されたウエディングドレスや、ハンドメイドの手芸やレースなどもありました。アン・シリーズ以外の作品も多く展示されていました。

次は、朝ドラの主人公、村岡花子
クリスチャンの父を持ち、2歳で幼児洗礼を受け終生信仰を持ち続けた彼女でしたが、その生活ぶりは決して西洋風ではなく、常に和服を身に着けていたそうです。
10歳で給費生として編入した東洋英和女学校での生活は、朝ドラそのもの。
ドラマでは「50センテンス」として紹介された50の英文は、実際には60センテンスといわれ、現在の東洋英和女学院の教育にも受け継がれています。
ロミオとジュリエット」のエピソードで盛り上がった「大文学会」では、実際の花子はテニスンの詩を暗誦したそうです。東洋英和の当時の写真や図書室のドアノブなど、学校に残る貴重な資料も展示してありました。
そして、花子が女学校時代に書き留めた雑記帳、友人と交わした手紙、卒業後に山梨英和女学校で教師をしていた時に書き溜めた作品や翻訳など・・・これからのドラマの展開が楽しみになりそうなグッズもたくさんありました。
(ドラマでは花子が教師をしているのは、甲府の母校である小学校ですが、実際の村岡花子さんは5歳の時に甲府から東京へ移り住んでいます)
山梨での教師生活は5年で終了、その後編集者、翻訳家として銀座にある教文館で働き始めたときに、夫の村岡さんと出会います。
実は彼には病気療養中のため実家へ帰った妻がいて、さらにお子さんもいたのですが、不倫略奪婚を成就させてしまうのです。これ、前妻につながる人がもしいらっしゃったら、かなり複雑といいますか、現在でも許せない気持ちになるかもしれません。
でも道に外れた恋というのは、人を熱くさせるものです。村岡さんが花子へ送ったラブレター、まさかこんなところで公開されてしまうとは夢にも思っていなかったでしょう。「中2病炸裂」とも評された文章の数々が残っておりました・・・
 
長男の誕生と死、ラジオのおばさんとして子供向け放送のパーソナリティをしていた時の貴重な肉声、そして運命となった『アン・オブ・グリン・ゲイブルス』
戦時中の東京で翻訳を進め、空襲のときは原作と原稿を持って逃げ出し、戦後7年たってから出版されました。
直筆の翻訳原稿に初版本今なお多くの少女をとりこにしているアンの物語は、花子がカナダ人宣教師から原作を渡されてから13年、翻訳が終わってから7年後にようやく日の光を見たのです。
 
そして展示作品は、アン・シリーズをはじめ花子が手がけたモンゴメリの他の作品、亡き長男の名前を冠した子供向け図書室にあった本などがありました。
 
そうそう、書き忘れていましたが花子の「腹心の友」であった柳原白蓮(ドラマでは仲間由紀恵さんが演じる蓮子さま)や片山廣子に関する展示もありました。
実物の白蓮は、大正3美人の一人とも言われるほどに綺麗なのです。
そして、ドラマに出てくる「醍醐さん」はどうやら白鳥かをる子さま同様フィクションのようです・・・
 
最後は「赤毛のアン」の世界。
物語の年表や登場人物紹介、代表的なエピソードなど、見ていて懐かしくなるものばかりでした。
 
とにもかくにも、最後までじっくり堪能できた展覧会でした。
外へ出てくると赤毛のアンやカナダの物産の販売コーナーが広がっていたので、クリアーファイルのほかに「やまなしのいちご水」を買ってしまいました。これはいちご味のシロップで、娘の友達が遊びに来たときに炭酸水で割っていただきました。
 
買い物が済んで夫を見ると、会場外に積まれてあった東洋英和女学院のパンフレットを握り締めていました・・・
 
東洋英和のキャンパスは、大学が横浜に移転したものの、中学と高校は創立当時のまま麻布鳥居坂(六本木)にあります。
娘がもし入学試験に受かったとして、我が家の収入は給費生にすることなく学費を払うことは不可能ではありませんが(それに現在は学習院同様に華族の令嬢ばかりが通っているわけではありませんし)、通学は現実的ではありません(笑)
 
まぁ、でも朝ドラの女学校風景を見た娘は「昔はこんな学校だったところに行きたい」とミッション系女子校を中学受験することに前向きにはなっています。
まだ受験用の塾に入会したわけではないので、現実の厳しさを知らないだけかとは思いますが・・・(でも神奈川県は内申書が厳しいので、公立高校へ進学するのも結構大変なのです)
 
ボリュームたっぷりの展覧会を見たあとは、三越から出ることなく「たいめいけん」でオムライスをいただきました。
前の朝ドラ「ごちそうさん」を彷彿をさせるクラシックなオムライス、美味しかったです