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「ふるぼう」のブログがYahooから引っ越しました。

イン・ザ・ヒーロー

今年のノーベル賞、物理学賞は日本人研究者3名が受賞しました
これまでの物理学賞は、その研究内容を聞いても「」って感じでほとんど内容を理解できなかったのですが、今回は私たちの生活にも密接に関係しているLEDということなので、なんだか親近感がわきますね。明日からのテレビもこの話題ばかりになりそうです。

さて、秋になってからいくつか映画を見ていますのでレビューも追いかけます。

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イン・ザ・ヒーロー  監督:武正晴 主演:唐沢寿明福士蒼汰

下落合ヒーローアクションクラブの社長にして、その道25年のスーツアクターである本城渉(唐沢寿明)。数年ぶりにヒーロー番組の劇場版作品に出演した彼は、一ノ瀬リョウ(福士蒼汰)という人気若手俳優と出会う。ヒーロー番組に敬意を払わないリョウと対立するも、ある出来事を契機に本城は彼と絆を育むように。そんな中、日本で撮影中のハリウッド大作で、落下して炎にまみれながらノーカットで殺陣を繰り出すクライマックスに出演する予定だった俳優が、恐れをなして降板。慌てたスタッフは、本城の評判を聞き付けて出演をオファーする。
特撮作品などで、ヒーローや怪獣のスーツ、着ぐるみを着用し演技をするスーツアクターを題材にしたヒューマンドラマ。25年にわたってスーツアクター一筋の男の姿を、若手俳優との絆やハリウッド映画出演などを交えながら映し出していく。メガホンを取るのは、『EDEN』『モンゴル野球青春記』などの武正晴。『20世紀少年』シリーズなどの唐沢寿明が主演を務める。共演は福士蒼汰黒谷友香寺島進ら。作品に命と懸ける者たちの生きざまに迫った熱いストーリーもさることながら、スーツアクター界の内幕描写の数々も興味深い。
 
私はこれまで「スーツアクター」という特撮ものの作品を裏で支えているヒーローがいたことも知りませんでした。そもそも特撮ヒーローものなどほとんど見ないのですが、映画の冒頭に『神龍戦士ドラゴンフォー』が出てきた時に初めて「スーツアクターあってこその特撮ヒーローなのね」と気がついたのです。松坂桃季くんが、シンケンレッドに変身しても「中の人」は桃季くんがやっているのだろうと思っていたあたり・・・アホですよね
この作品は、主演の唐沢寿明さんご自身が、かつてスーツアクターをしていたという経歴もあり、彼のスーツアクターへの思い入れがそのまま映画ににじみ出ているように思います。ハリウッド進出が現実のものとなりそうで、特撮ヒーローの映画版なんかやってられない、という人気若手俳優スーツアクター一筋に25年やってきた主人公。クレジットにも名前が出ないのに、この仕事が好きだからずっとやってきた・・・スーツアクターたちの自分の仕事に誇りを持った姿勢が、周りからちやほやおだてられているだけの若手スターに何かを感じさせたのでしょうね。そして、主人公はノンワイヤーのアクションというあまりに危険なスタントに挑むことになるのですが・・・それもこの仕事が好きだからこそ成せたことだと思います。
同時期にやっていた他の作品よりも地味さを感じてしまうのですが、個性的な演技派俳優さんがそろった良作だと思います。上映館がそれほど多くなかったのが残念です。