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蜩ノ記

映画のレビュー、次はこちらです。

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7年前に前例のない事件を起こした戸田秋谷(役所広司)は、藩の歴史をまとめる家譜の編さんを命じられていた。3年後に決められた切腹までの監視役の命を受けた檀野庄三郎(岡田准一)は、秋谷一家と共に生活するうち、家譜作りに励む秋谷に胸を打たれる。秋谷の人格者ぶりを知り、事件の真相を探り始めた庄三郎は、やがて藩政を大きく揺るがしかねない秘密を知るが……。
直木賞作家の葉室麟のベストセラー小説を、『雨あがる』『博士の愛した数式』の小泉堯史監督が映画化した人間ドラマ。無実の罪で3年後に切腹を控える武士の監視を命じられた青年武士が、その崇高な生きざまを知り成長していく姿を師弟の絆や家族愛、夫婦愛を交えて描き出す。過酷な運命を背負いながらもりんとした主人公に役所広司、その監視役の青年には『SP』シリーズの岡田准一。そのほか連続テレビ小説梅ちゃん先生」の堀北真希や、ベテラン原田美枝子が共演を果たす。

割りと最近TSUTAYAで「博士の愛した数式」を借りて見たばかりだったので、この作品も同じ監督さんが撮ったと知って「だから同じような空気なんだなぁ」と思ったのでした。

淡々と、しかし張り詰めた空気の中物語が進んでいきました。夏の夕暮れには蜩の声が響き渡り、冬には「しん」という音が聞こえてきそうなほど、澄みきった空気をスクリーンに感じました。

ストーリーだけに注目してみると、主人公が切腹となった理由は不条理だし、農民の一揆に関わる流れもなんだかこじつけてるし、そもそも監視役がやって来た理由もそんなんでいいのか?と思ってしまったけど、それ以上に「凛とした生き方」と「家族のあり方」が美しいなぁと思えました。あと、寺島しのぶさん演じる尼さんは殿様の側室だった頃の妖艶な面影も感じられてキレイでしたね。

岡田准一さんが普通に歩いているのを見て、なんだか違和感を感じてしまったのは、官兵衛のせいなのでしょうか?